新型コロナウイルス感染症に対するBCG ワクチンの効果

BCG ワクチンの接種の有無が新型コロナウイルス感染症に対して患者数や重症者数に関係してしているのではないかということがいわれ、そのことに対して日本ワクチン学会は学会のtopページより新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBCG ワクチンの効果に関する見解をリンクしている。この資料にはこう書かれている。
「新型コロナウイルスによる感染症に対して BCG ワクチンが有効ではないか」という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない。
こういったことを承知の上で、東京慈恵会医科大学 ウイルス学講座 教授 近藤一博氏はFAQの「日本型BCG接種を実施している国は、日本を含めて感染拡大が緩いことから、これが感染予防として働いている」のではないかという質問に対してナイショで氏の仮説を披露している。
結核菌に対しては、自然免疫と呼ばれる免疫機構が強く活性化されることが知られています。簡単にいうと、結核を体に持っている人は、肺の自然免疫が鍛えられているというわけです。自然免疫は、未知の病原体が体に入って来た時に最初に戦う免疫機構です。新型コロナウイルスを迎え打つのもこの機構です。結核菌で鍛えられた自然免疫機構は、新型コロナウイルスにも強いのかも知れません。以上、あくまでもナイショの話です。
ガテンのいく話ではあるが、あくまでもナイショの話ということで医学的なエビデンスはない話だ。

ホルモン治療はCOVID-19の感染リスク、重症化を軽減?

男性ホルモンが関与か 新型コロナ感染、症状悪化―前立腺がん患者調査・イタリア:時事ドットコムという記事を読む。

検索し、参照した論文が以下のものであることがわかった。
Androgen-deprivation therapies for prostate cancer and risk of infection by SARS-CoV-2: a population-based study (n=4532) - Annals of Oncology

イタリアのパドヴァ大学のM. Montopoli氏を筆頭著者とする論文である。
ハイライトとして以下のように書かれている。
•SARS-CoV-2感染男性は女性よりも臨床転帰が悪い
•がん患者はSARS-CoV-2感染のリスクが高い
•アンドロゲン除去療法を受けている前立腺癌患者は感染症から部分的に保護されているようです
イタリアのヴェネト州の68の病院から、SARS-CoV-2感染の9280人の患者(男性4532人)に関するデータを解析したものである。
結論として以下のように書かれている。
私たちのデータは、がん患者は非がん患者よりもSARS-CoV-2感染のリスクが高いことを示唆しています。ただし、ADTを受けている前立腺がん患者は、SARS-CoV-2感染から部分的に保護されているようです。
次の仮説を提示している。
SARS-CoV-2の細胞侵入は、ウイルススパイク(S)タンパク質のACE2への結合と、TMPRSS2によるSタンパク質の プライミング:準備刺激 に依存する。TMPRSS2の阻害は、SARS-CoV-2感染の重症度をブロックまたは軽減するように機能する可能性がある。アンドロゲン枯渇療法(ADT)は、TMPRSS2のレベルを低下させるのでADTがSARS-CoV-2感染から前立腺がんに罹患した患者を保護する可能性がある

Table 3 にADTを受けた患者とそうでない患者の数について詳細が記載されている。

ADTを受けた患者 5,273人
新型コロナウイルス感染症 陽性者 4人 軽症 3人 重症 1人 ICU 1人 死亡 0人

ADTを受けていない患者 37,161人
新型コロナウイルス感染症 陽性者 114人 軽症 83人 重症 31人 ICU 13人 死亡 18人

表2には以下のように書かれている。
州の総人口は2,399,783人で 4,532人(0.2%)が陽性
すべての男性のがん患者 127,368人で 430人(0.3%)が陽性

がん患者が新型コロナウイルス感染症のリスクが高いとしてもホルモン治療が重症化リスクを軽減するというこの論文は少し慰めとなるものである。

……以下2020/05/09 に追記
TMPRSS2の関与に関してはTMPRSS2発現細胞を使うと新型コロナウイルス SARS-CoV-2が効率良く分離できる | 国立感染症研究所のAの絵で説明されている。説明文は次のとおり
受容体ACE2に結合した新型コロナウイルス SARS-CoV-2は細胞表面の酵素TMPRSS2によって活性化され細胞への侵入効率が増強される。

……以下2020/05/10 に追記
新型コロナウイルスは、いかに感染し、そして重症化するのか? そのメカニズムが研究で明らかになってきた|WIRED.jpにTMPRSS2について以下のように書かれている。
ウイルスはまず、表面にある突起状のスパイクたんぱく質を、宿主細胞のACE2受容体にぴったりと結合させる。すると、細胞膜にあるたんぱく質の分解酵素「TMPRSS2」や「FURIN」が、ウイルスのスパイクたんぱく質を適切な位置で切断し、ウイルスと細胞の融合を助ける。

かくしてウイルスは細胞内に侵入して遺伝物質(RNA)を注入し、わたしたちの細胞を“工場化”してウイルスを大量に自己複製させられるようになるのだ。
また、次の記述
TMPRSS2は男性ホルモンであるアンドロゲンの受容体でもあり、その発現量は男性に重症化する患者が多い原因となっている可能性も疑われている。


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糸井重里に「責めるな」といわれても

石田英敬 氏のtweet で紹介された山口尚 氏のnote に掲載された文を興味深く読んだ。


山口尚さんの論考は次の文で終わっている。
糸井は「責めるな」という言葉でもって、ひとを責めるものを自分より低く格付けしている。自分もまたひとを責めているにもかかわらず! である。
糸井はおいしい生活を長くしすぎたので、見下すようになったのだろう。

糸井のtweet をもう少しみてみる。
「ずっと、誰かが誰かを責め立てている。これを感じるのがつらいのだ。」ということから「責めるな」という。責め立てていることをするなと命令している。それはご自身のつらい気分になることを減じるためだ。

責められる人は責められるに値する理由があるということはまったく念頭にない。そうして「責められている」人の立場に自らをたたせている。

責めているのが政権批判の言だとすると、明らかに政権側に身をおいた発言である。たとえば、小泉今日子のマスクに対する以下のtweet に対しても「責めるな」というのだろうか。

「キョンキョン がっかり」という反応があったようだ。これは政治的な発言から遠ざかることが賢いこと、芸能人は政治的発言はタブー、昔アイドルだった人はだまっていたほうがいい、昔のイメージを覆すなというのが裏にあるのだろう。

「政府をリアルタイムで批判すべき」緊急事態と法律、憲法学者の木村草太さんに聞くでこう書かれている。
Q こうした緊急事態において、政府の対応について「批判をするな」というような声も聞かれます。
政府が常に批判的検証の対象となるのは当たり前です。リアルタイムでどんどん批判をしていく必要があると思っています。政府の活動に不適切だったり、サボったりしていることがあれば、国民はしっかりと表現の自由を行使して、批判すべき点は批判すべきでしょう。
新しい生活はいらない。特にマスクをつけることなく過ごすことのできる日々に戻りたいだけだ。

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新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム

厚労省が新型コロナ感染者情報を一元管理する新システム、開発費用は10億円 | 日経クロステック(xTECH)を読む。

私は厚生労働省の日々発表されるデータをもとに死亡率などを毎日、身捨つるほどの祖国はありや COVID-19 死亡率に追記している。その値は極めて不正確なものである。例えば
4月13日発表のデータに次のように書かれ数値は調整されている。

4 愛知県から陽性者数について誤って23例多く計上していた旨の報告がなされたため、前日の数から23を減じた数からの増加を示している。
地方からのデータは個別に送られ(まさかFAXということではないと思うが)それを纏めているのだなと思った。オンラインで処理していないなと思った。

それが今回10億円もかけてシステムが構築されたということのようだ。こう書かれている。
厚生労働省は2020年5月中旬をメドに、新型コロナウイルス感染者の情報を全国で一元管理する情報システムを稼働させる。全国の保健所や病院が感染者情報を新システムに入力することで、国や自治体などが感染状況をいち早く共有できる体制を整え、医療機関は患者の治療にも活用する。
ただ、この機能をなぜ早くリリースしなかったのかと疑問だ。その後に書かれている「自宅などに待機する軽症者には健康状態を報告するスマートフォン用アプリ」は後でのリリースでよかった思う。

多分に日本以外ではごく常識的なシステムがやっとできあがったということのようだ。新型コロナ以外の情報の地方のデータはオンライン 入力ではないのだろうか。もしそのようなシステムが構築されていたとするともっと速やかに構築され開発費10億円などということにはならなかった思う。

新型コロナは社会システムのあり方、IT環境の現状、国の広報の仕方など、目にはみえたいたものを改めて眼前に明らかにし、日本が辛うじて先進国の一員であるこの現状を露わにする。