転移性前立腺がん患者の多くが推奨治療を受けていない
転移性前立腺がん患者の多くが推奨治療を受けていない | がん治療・癌の最新情報リファレンスを読む。こう書かれている。
去勢抵抗性前立腺がんに対しては最初から強力なホルモン治療を実施したほうがいいという意見があることはしっていたが、2種類の薬の併用がガイドラインの推奨になっていることは知らなかった。
今はNCCN Guideline Prostate Cancerの最新版を確認する元気はない。
ただ、いえることはいずれは効かなくなるホルモン治療をするという事態にならなかったことは吉といわざるをえない。
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村
ホルモンの供給を遮断することで制御できる転移性前立腺がん(ホルモン感受性前立腺がんまたは去勢感受性前立腺がんと呼ばれることが多い)について、2017年以来、治療に関する推奨事項は劇的に変化した。Treatment for Metastatic Prostate Cancer Often Suboptimal - NCIを元にした記事だ。
テストステロン産生抑制のための単一薬剤投与は長年、標準治療とされてきたが、もはや十分ではないと考えられている。米国のガイドラインでは、現在、それぞれ異なる方法でホルモンを阻害する2種類の薬剤を組み合わせて投与することを推奨している。がんが悪化するリスクが最も高い人に対しては、ガイドラインは化学療法の追加も推奨している。臨床試験では、どちらのアプローチも患者の延命に役立つことが示されている。
しかし、新たな研究の結果によると、これらのガイドラインはほとんど実践に反映されていない。前立腺がん患者を治療する米国の医師を対象とした調査では、約70%が、ホルモン感受性転移性前立腺がん患者に対して最初からこの併用療法を使用していないと報告した。
去勢抵抗性前立腺がんに対しては最初から強力なホルモン治療を実施したほうがいいという意見があることはしっていたが、2種類の薬の併用がガイドラインの推奨になっていることは知らなかった。
今はNCCN Guideline Prostate Cancerの最新版を確認する元気はない。
ただ、いえることはいずれは効かなくなるホルモン治療をするという事態にならなかったことは吉といわざるをえない。
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村
人生は過ぎた玄白 放射線治療、ホルモン治療後のテストステロン回復
Eur Urol. 2025 Jan;87(1):49-57. 、full textを読む。
2024年ASCO シンポジウム: 高リスク限局性前立腺がんに対するSBRT 治療成績で参照したUCLAのLuca Faustino Valle氏のLuca Valle | UCLA ProfilesのPublicationsより見いだした論文である。
論文は放射線治療とホルモン治療を併用した場合、テストステロン回復に関して5つのランダム化試験から統合分析されたものである。
ホルモン治療中止後6、12、18、24、36か月時点での非去勢レベルまたは非性腺機能低下レベルへのテストステロン確率を予測するためのノモグラムも作成されている。
5 つの試験から 1,444 名が解析され、そのうち 115 名が 4 か月、880 名が 6 か月、353 名が 18 か月、36 名が 28 か月、60 名が 36 か月のホルモン治療 を受けた。
AbstractのKey findingsにmetastasis-free survival (MFS) 無転移生存期間についてこう書かれている。
ホルモン治療後、性欲の減少、性的関心がほぼなくなったのはクスリによって獲得された自由ということで、得難い経験だった。
67歳のfinalventさんの2月21日のXへの投稿より引用する。
https://x.com/finalvent/status/1894172488239911333
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村
2024年ASCO シンポジウム: 高リスク限局性前立腺がんに対するSBRT 治療成績で参照したUCLAのLuca Faustino Valle氏のLuca Valle | UCLA ProfilesのPublicationsより見いだした論文である。
論文は放射線治療とホルモン治療を併用した場合、テストステロン回復に関して5つのランダム化試験から統合分析されたものである。
ホルモン治療中止後6、12、18、24、36か月時点での非去勢レベルまたは非性腺機能低下レベルへのテストステロン確率を予測するためのノモグラムも作成されている。
5 つの試験から 1,444 名が解析され、そのうち 115 名が 4 か月、880 名が 6 か月、353 名が 18 か月、36 名が 28 か月、60 名が 36 か月のホルモン治療 を受けた。
AbstractのKey findingsにmetastasis-free survival (MFS) 無転移生存期間についてこう書かれている。
MFS の利益を得るための最適な有効去勢期間は、ADT を 6 か月間受けた男性の場合は 10.6 か月、ADT を 18 か月間受けた男性の場合は 18 か月でした。私の場合、テストステロン値は計らないのですかと泌尿器科の主治医にきいたところ、「必要な場合のみ計ります」というにべもない答えで一切、計られることはなく、ホルモン治療前後のテストステロン値は不明であり、そのことは治療になんら差し支えなかった。
ホルモン治療後、性欲の減少、性的関心がほぼなくなったのはクスリによって獲得された自由ということで、得難い経験だった。
67歳のfinalventさんの2月21日のXへの投稿より引用する。
自分、老人になって、まあ、いろいろ思うんだが、基本、「ああ、人生は過ぎた玄白」だなあ。finalventさんの「前立腺癌にならない三つの方法」という投稿がおもしろい。
まあ、たぶん人によっては、70歳過ぎて「トゥンク」はあるだろうけど、汗だくで絡みあってる性行為はしなくなる(たぶん)。そういう人生の時代も過ぎた。
https://x.com/finalvent/status/1894172488239911333
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村
大阪国際がんセンターのIMRT治療 10年PSA非再発率
大阪国際がんセンター泌尿器科の川村憲彦氏を筆頭著者とする論文、Jpn J Clin Oncol. 2024 Mar 9;54(3):346-351.、full textを読む。
2007年から2016までに治療を受けたNCCNリスク分類の高リスク 81人、超高リスク 116人 計196人を対象とした論文である。
前立腺および精嚢に対するIMRT(74~78Gy)とアンドロゲン除去療法で治療された患者だ。
PSA非再発率に関しては明確に記述されていなくて以下のように書かれている。
高リスク 74.7%
超高リスク 61.5%
サイトのトモセラピーによる10年間の治療結果(愛知県がんセンター)で示した富田氏の論文では10年PSA非再発率は以下のとおり。
高リスク 90%
超高リスク 72%
大阪国際がんセンターは傑出した結果を報告したというわけではない。
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村
2007年から2016までに治療を受けたNCCNリスク分類の高リスク 81人、超高リスク 116人 計196人を対象とした論文である。
前立腺および精嚢に対するIMRT(74~78Gy)とアンドロゲン除去療法で治療された患者だ。
PSA非再発率に関しては明確に記述されていなくて以下のように書かれている。
The 5-year and 10-year cumulative incidence rates of biochemical failure were 2.5% and 16.3% in the high-risk group, and 8.6% and 32.0% in the very high-risk groupただ、full textでは他の論文との比較で以下の記述有り。
DeepL翻訳
生化学的失敗の5年および10年累積発生率は、高リスク群で2.5%および16.3%、超高リスク群で8.6%および32.0%であった
However, our study showed notably favorable treatment outcomes, with a 10-year BFS of 74.7% for HR patients and 61.5% for VHR patients.すなわち10年PSA非再発率は以下のとおり。
高リスク 74.7%
超高リスク 61.5%
サイトのトモセラピーによる10年間の治療結果(愛知県がんセンター)で示した富田氏の論文では10年PSA非再発率は以下のとおり。
高リスク 90%
超高リスク 72%
大阪国際がんセンターは傑出した結果を報告したというわけではない。
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村
小線源治療はT細胞を活性化する その2 … HDRも免疫的に活性化
清水ミチコの動画に導かれ abscopal effectで佐藤 威文氏の以下の動画を紹介した。
「進行前立腺がんの治療と薬物療法の現在地」
ブログ記事で講演で参照された論文を紹介したあと、こう書いた。
https://youtu.be/ACYDe_p2ZYA?t=1831
さらに講演ではHDRについてもHDRで免疫的に活性化された"hot"な組織に変化が確認されたという次の論文を併せて紹介している。
J Immunother Cancer. 2020 Jun;8(1):e000792.
いずれにしてもLDRまたはHDRの場合は免疫を活性化するということではあるが、IMRTはどうだろうか。線量が少ないので、活性化には至らないということなのだろうか。
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村
「進行前立腺がんの治療と薬物療法の現在地」
ブログ記事で講演で参照された論文を紹介したあと、こう書いた。
その後も他の論文による説明は続くが、いまは原論文をそれ以上確認する元気はない。ブログ記事、小線源治療はT細胞を活性化するで参照した論文Oncol Rep. 2018 Jan;39(1):417-424. について佐藤氏は講演で言及している。
https://youtu.be/ACYDe_p2ZYA?t=1831
さらに講演ではHDRについてもHDRで免疫的に活性化された"hot"な組織に変化が確認されたという次の論文を併せて紹介している。
J Immunother Cancer. 2020 Jun;8(1):e000792.
いずれにしてもLDRまたはHDRの場合は免疫を活性化するということではあるが、IMRTはどうだろうか。線量が少ないので、活性化には至らないということなのだろうか。
ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村