トリモダリティの鳥取大と滋賀医科大とのPSA非再発率比較

治療法比較3に鳥取医大のデータを追記し、鳥取大学のIMRTとトリモダリティのPSA非再発率比較の記事について若干追加の記述をしてみよう。

IMRTで治療を受けた患者でリスク因子が3個の場合7年PSA非再発率が75.6%で、トリモダリティで治療を受けた患者で同様にリスク因子3個の場合、7年PSA非再発率が94.1%であったことに基づき、以下のように書かれている。
治療成績は、IMRT、トリモダリティともに良好であった。また、3つのリスク因子を有する限局性前立腺がん患者の長期生存率も良好であった。限局性前立腺がんの3つの危険因子を有する高リスク患者の長期生存率は、IMRT群で不良であった。
full textをみてもトリモダリティ 91人のうち何人がリスク因子が3個なのか書かれていない。
ここで、どこよりも高リスクを積極的に治療した滋賀医科大の場合を岡本医師の論文で確認する。

高リスク患者143人のうち、リスク因子3個の患者は22人 (15%)だ。鳥取医大は91人なので、滋賀医科大の%と同じだとすると14人だ。

治療法の選択 高リスクの場合_IMRTと小線源を比較してで高リスクでリスク因子毎の患者数におけるパーセントの表を示した。
リスク因子の患者の数、割合は以下のように記す。
病期がT3以上:T3 n(%)
GSが8以上:GS n(%)
PSAが20を超える:PSA n(%)

滋賀医科大の場合を示す。
T3 91(64%)
GS 96(67%)
PSA 59(41%)

鳥取医大
T3 53(58%)
GS 76(84%)
PSA 32(35%)

鳥取医大のほうがGSが高い値の患者が多く、さらにトータルとして重い患者を治療しているので、リスク因子3個の患者の全体にしめる割合は滋賀医科大より多いと思われる。
従って、リスク因子3個の患者は14人より多いだろう。

滋賀医科大の論文は高リスク前立腺がん患者に対して5年PSA非再発率として95.2%を報告している。鳥取医大は5年PSA非再発率は96.2%、7年PSA非再発率は91.5%を報告している。
5年に関しては同等であり、滋賀医科大はもはや5年以上の結果を報告することはできないので、総じて鳥取医大のほうが優れているといえるだろう。

なぜ、鳥取医大のトリモダリティの評判のことがネットで言われることはないとかいうと、大学病院でのサイトでその治療成績が優れていることを特にいわず、患者もネット上で特にその治療経験を書くことがないからだろう。

滋賀医科大に勤務した岡本医師に関しては患者を巻き込んだ滋賀医科大事件をみるにつけ、最近の兵庫県知事選挙におけるネット上の過大な活動、誹謗中傷を思い起こす。

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