多根総合病院の高リスク群前立腺がんに対するVMAT(全骨盤照射も実施)の治療成績

前立腺がんに対するIMRTの治療成績といったことに関する関心は去年の卒業以降、急速に減じてきた。
とはいえ、久々に従来使用していた検索式でGoogle Scholarで検索し、次の論文をみいだした。
J Radiat Res. 2023 Sep 22;64(5):850-856.full text

多根総合病院の放射線治療科の竹村玲子氏を筆頭著者とする論文であり、2011年8月から2015年8月に治療した高リスクの患者112人を対象とした論文である。

前立腺に39分割78Gy、骨盤リンパ節(LN)領域に26分割46.8Gyを照射した。
高リスクは41人(36.6%)、超高リスクは71人例(63.4%)であった。

PSA非再発率は高リスク、超高リスクを分けて報告はされていないが、以下の結果だ。
5年PSA非再発率 95.3%
8年PSA非再発率 91.9%

以下の病期を考慮するとそれなりに優秀な結果だ。
T3 53人 (47.3%)
T4  8人 (7.1%)

竹村論文では年齢中央値は72歳ということからか次のように書かれている。
転帰には、原発性疾患による死亡が 2 件、直腸膀胱嚢から発生した放射線誘発性血管肉腫による死亡が 1 件、その他の疾患による死亡が 10 件(肺がん 3 件、食道がん 1 件、腎臓がん 1 件、結腸がん 1 件、直腸がん 1 件、脳卒中 1 件、肺炎 1 件、不明 1 件)含まれていた。
前立腺がんによる死亡よりその他による死亡が多い。

……2024/09/29に追記
サイトの日本の病院での論文におけるPSA非再発率を一覧表にまとめた治療法比較3に竹村論文を追記した。

……2024/10/02に変更
VMAT(多根総合病院)との治療成績比較で滋賀医科大の岡本論文との比較を書いたので本稿の岡本論文に関する記述を削除した。

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