手術とSBRTのランダム化比較試験、PACE-Aの結果

前立腺がんに対する放射線治療と手術の治療後の生活の質を比較した場合、手術のほうが尿失禁などに悩まされる場合が多いということはよくいわれている。
SBRTと手術の副作用の比較(ランダム化比較試験)でASCOの発表について書いた。
英国からこのPACE-Aのランダム化比較試験の結果が論文として、報告された。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39266383/

当初、手術60人、SBRT63人の割当だったが、辞退、24ヶ月までのフォローアップができなかったということで、最終的には手術46人、SBRT56人という結果だった。
SBRTに関してはホルモン治療の追加無しということであり、限局性前立腺がんの低リスク、中間リスク患者が対象といっても手術 N = 60 で低リスク 3人、中間リスク57人、そうしてSBRT N = 63 で低リスク4人、中間リスク59人ということなので、ほぼ中間リスク患者を対象とした試験である。

結論として次のように書かれている。
Conclusions and clinical implications: SBRT was associated with less patient-reported urinary incontinence and sexual dysfunction, and slightly more bowel bother than prostatectomy. These randomised data should inform treatment decision-making for patients with localised, intermediate-risk prostate cancer.

DeepL翻訳
結論と臨床的意義: SBRTは前立腺摘除術と比較して、患者が報告した尿失禁および性機能障害が少なく、腸の障害がわずかに多かった。これらのランダム化データは、限局性の中リスク前立腺がん患者に対する治療の意思決定に役立つはずである。
人数はそう多くはないがSBRT(照射5回)とほとんどがロボット支援手術の術後の生活の質がランダム化比較試験の結果として明らかになったのは意義深い。

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