Alpha-PS1試験 アスタチン標識PSMAリガンド([At-211]PSMA-5)を用いた標的アルファ線治療の治験

大阪大学が去勢抵抗性前立腺がんに対する治験を開始したというニュースをちらっとみたが、薬の原材料が国内生産できるようになったのかなと思い、詳しくそれ以上は調べなかった。
今回、別件でテレビ大阪のニュースを調べていたときに以下のニュース動画をみいだした。
https://youtu.be/Jm8gGmzVEAo

こう書かれている。
大阪大学が新しく開発した治療法は、人工的に作られた元素「アスタチン」を患者の静脈に投与するもので、転移したがん細胞と結合し、α線を放出してがん細胞を破壊します。
改めて調べ、以下のページに至る。
https://www.irs.osaka-u.ac.jp/news/post_41.html

リンクされている難治性前立腺がんに対する医師主導治験を開始 - ResOUを読む。
こう書かれている。
研究チームはこれまで独デュッセルドルフ大学(Frederik Giesel教授ら)との共同研究を行い、PSMAを標的としたPET画像診断の臨床研究を実施してきました(図2)。また海外ではβ線核種のルテチウム(Lu-177)を用いたPSMA治療が既に承認されていますが、Lu-177は国内製造ができないことや、Lu-177治療抵抗性の患者がいることがわかっています。アスタチンは従来の放射線よりもエネルギーの高いα線を放出する核種であり、β線治療抵抗性であっても治療効果が期待できるだけでなく、加速器を用いた国内製造が可能です。
治験がうまくいき、効果が実証され国内での製造体制が確立されたならば、もう西郷輝彦のようにオーストラリアに治療にいく必要がなくなるということだろう。
とはいえ、「実施期間:2024年6月〜2027年3月(予定) 予定症例数:15 例」とのことなので、近い将来ということではない模様。

大阪大学とベンチャー企業とのジョイントに関してはこう書かれている。
またアスタチンを医薬品として実用化するにあたり設立された大学発ベンチャー、アルファフュージョン株式会社(藤岡直CEO、本社:大阪府北区)との強固な連携体制が構築され、共同研究講座(アスタチン創薬実用化共同研究部門)を通じて、共同開発を進めています。
大阪コロナワクチンのような結果にならないことを祈る。

……投稿後、追記
掲示板へのRI(radioisotope)治療でリンクしたIsotope News 2016年1月号 新春座談会 内用療法─我が国で展開するには─を改めて読んでみた。
理化学研究所の羽場さんがつぎのようにいっている。
日本は仁科芳雄先生の頃から加速器科学や原子核物理で世界に誇るものがあり,どんな RIでも製造できたと思うのですが,核化学と核医学の連携が上手く取れてこなかったことが,アイソトープ治療で遅れを取った 1 つの原因ではないかと思います。最近,我々のところに 67Cuやアスタチン(At)211 などの RI を作ってほしいという依頼があり,RIBF の加速器で製造技術開発を進めています。
核化学と核医学との連携がとれてきたということだろうか。

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