安江博『一流の前立腺がん患者になれ!』 Ten-step法

安江博『一流の前立腺がん患者になれ!』鹿砦社についてはすでに下記の記事を書いている。
http://inves.seesaa.net/article/504120283.html

仔細に本の内容の紹介と論評をする気はないが、一番気になった記述を以下に書く。

P.57にこう書かれている。
2021年に、LDR-BTの完成形といえる手技が、Ten-step 法として論文に公表されました(Okamoto K. J Appl Clin Med Phys. 2021 Jun;22(6):172-182)
「完成形といえる手技」あるいは上記の記述の後、ページの終わりにはこういった文。
過去に全世界で行われてきた標準的LDR-BTと大きく異なります。
この2つの記述は事実ではなく、理学博士の安江さんの感想だ。

あげられている論文に関してはブログに2つの記事を書いている。
1.http://inves.seesaa.net/article/489104952.html
2.http://inves.seesaa.net/article/492830132.html

2.はGoogle Scholarで他の論文に参照されているか否か調べたもので、2024年7月27日現在、3本であり、内2つは岡本医師の論文だ。そうでないのは" 3D printed template: Two case reports"であり、手技としての参照ではない。

比較としてあげたMount Sinai real‐time implantation technique (MS method)は298であり、数としては10以上増えている。

全標準的LDR-BTと大きく異なっていることがたとえ事実だとしてもそれは個人手技に留まり、決して「完成形といえる手技」ということはいえないと思う。

全世界的に普及しているMS methodは論文の参照も多く、全世界的に普及し実行されている。安江さんのいう「完成形といえる手技」、Ten-step method は発表後3年経って、論文での参照は零に等しく、そうして日本においての普及も皆無ということはないにしても実施している病院は極少ない。


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