ホルモン療法の期間は6ヶ月と30ヶ月を比較するものでようやくその結果が報告された。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37802225/
この臨床試験参加病院に関してはサイトのTRIP試験登録病院に書いた。
高リスクといってもT3aまででT2cも含まれる。「TRIP試験の対象症例はD'Amicoの高リスク症例にNCCNガイドラインで定義されている高リスク症例を含めたもの」ということで、全日本で当時高リスクに対応している病院ほぼすべてが参加したものと思われる。
ただし積極的に高リスクに対応していた滋賀医科大は症例登録はゼロだった。
165 人が短期で 167 人が長期である。
7年PSA再発率
短期 9.0%
長期 8.0%
非再発率で表すと以下のとおり。
7年PSA非再発率
短期 91.0%
長期 92.0%
結論としてこう書かれている。
優位性試験として計画された今回の研究では、密封小線源療法および外照射と併用した場合、30ヶ月のホルモン療法が6ヶ月のホルモン療法よりも優れた生化学的制御をもたらすことを実証できなかった。実際の臨床においてこの試験の結果が準用されているのだろうか。
もっとも高リスクに対して小線源治療を行う病院は相対的に減少しているので、従来通りの治療を実施しているのかもしれない。
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この記事へのコメント
Gettingbetters
結果的に有意な差はなかったとのことなのですね。
私は、長期の方に属します。もう少しロングスパンでの差異なるものがわかるとよいですね。
石葉眞
コメントありがとうございます。
TRIP臨床試験の結果、短期、長期のホルモン療法の差がないということは随分はやい時期から雑誌などでみたことがあります。きちんとした論文で発表されるのに時間がかかったということです。
ホルモン療法の上乗せ効果は限定的だったということです。
TRIP試験の高リスクの定義はこうなっています。
「下記3因子のうち1つでも満たす症例を高リスク群とする
1 前治療CAB開始前のPSA値20 ng/mL超
2 臨床病期T2cまたはT3a
3 中央病理診断のグリソンスコア8以上」
NCCNの高リスクの定義とは異なっています。
リスク因子が2以上の場合はどうかということは留保しなければならないでしょう。