陽子線治療の成績(10年)

陽子線治療の成績に載せたGoogle Scholarの検索を再び実行し、次の論文をみいだした。

Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021 Mar 15;109(4):964-974.

pubmedは以下のとおり。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33186616/

札幌逓心会病院陽子線治療センターの高木克氏を筆頭著者とする論文である。
論文でいうa Single-Centerというのは多分に高木氏が以前に勤めていた 1) 兵庫県立粒子線医療センターのことだろう。

2003年から2014年までの2021人の患者が対象である。内訳は以下のとおり。

超低リスク 52人 (2.6%)
低リスク 283人 (14.0%)
予後良好な中リスク 340 人(16.8%)
予後不良な中リスク 554 人(27.4%)
高リスク 559人 (27.7%)
超高リスク 233 人(11.5%)

5年PSA非再発率
超低リスク 100%
低リスク  99%
予後良好な中リスク 93%
予後不良な中リスク 90%
高リスク 88%
超高リスク 76%

10年PSA非再発率
超低リスク 100%
低リスク  88%
予後良好な中リスク 86%
予後不良な中リスク 79%
高リスク 68%
超高リスク 63%

10年PSA非再発率の高リスクと超高リスクが必ずしも優れた治療成績とはいえない。
トモセラピーによる10年間の治療結果(愛知県がんセンター)で紹介した富田夏夫氏の論文から10年PSA非再発率を以下に転記する。

低リスク 100%
中間リスク 84%
高リスク  90%
超高リスク 72%


1) 札幌逓心会病院 広報誌を参照のこと。

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