第一部は、「言いたいこと」第二部は、「トリモダリティ-体験記」の二部構成とのことだ。体験記に関してはとくにコメント、感想を書くつもりはない。
「第一部:言いたいこと」で「孫引き」という形で著者名と発行年のみを記述し、論をすすめている。やはり、原著論文は大事と思い、全部ではないが検索してみて、その結果を以下に書く。
但し、あげられているすべての論文の原著論文をみいだしたわけではない。
ブログの文を引用し、該当論文のURLを記す。そうして一部はコメントする。
高リスクの場合は、Stoneらは、2009年の論文で、「トリモダリティ-治療をして、BED220Gyにするのが最も効果的である(もっとも非再発率が高い)」、と述べている。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18597953/
実際、Abu-Gheidarら2019年の論文によると、治療後10年の非再発率は、BED157Gy照射では、中リスクは、71%(うち、75%以上の人が半年間のホルモン療法併用)、高リスクは、42%(うち、80%以上の人が半年間のホルモン療法併用)だった。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30721720/
クリーブランドクリニックのIbrahim Abu-Gheida氏を筆頭著者とする論文であり、1998 年から 2012 年の間に一つの病院で実施された寡分割照射での10年のPSA非再発率を報告したものだ。
私の参加した臨床試験と同じで1回当たり2.5Gyで28回計70Gy照射だ。
日本の厚労省が1993年~2002年まで調査した結果によると、早期の前立腺がん患者であっても(GSは、不明)、全摘した1192人のうち、302人(25.3%)がPSA再発していた。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16925752/
ブログの以下の記事で紹介している。
http://inves.seesaa.net/article/486690049.html
また、Hashimotoら2015年の論文によると、ロボット支援による全摘手術の結果、5年後の非再発率は、中リスクで66%、高リスクは30%だった(術後、救済的放射線治療やホルモン療法を併用したかどうかは不明)。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25339062/
サイトの以下の記事で紹介している。
http://flot.blue.coocan.jp/cure/memo/robot.html
なお、この橋本論文のリスク分類はNCCNリスク分類でもD'Amicoのリスク分類でもない。従って単純に比較するのは不適切である。
さらに、後ろ向きコホート試験ではあるが、Kishan ら2018年によると、グリソンスコア9~10の高リスク患者(きわめて転移しやすいがん患者)の治療においては、トリモダリティ-治療がもっとも効果的であった、と報告している。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29509865/
サイトの以下の記事で紹介している。
http://flot.blue.coocan.jp/cure/memo/Amar.html
また、Itoらは、2018年の論文で、低・中リスクの2316人は、7年たっても、非再発率は90%を超えていた、と報告している。J-POPS研究の報告である。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29934842/
滋賀医科大の岡本圭生氏の論文についてはブログの前立腺がんindexの滋賀医科大学関連を参照のこと。
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