前立腺がんの治療法 : T2aでIMRTを勧められた勤務医の質問に対して

Blue-Kobaton さんが、針生検とグリソンスコアという記事で「前立腺がんのグリソンスコア」という記事を紹介していた。

生検後、何本か陽性であり、グリソンスコアが異なる場合、「一番悪性度の高いものが、その人のグリソンスコア」とするということが書かれている。
Gleason スコア 最も高いスコアを代表値として採用で院内がん登録の参考資料からこのことを示した。
今回、東京慈恵会医科大学病理学講座教授の鷹橋浩幸氏の言として確認でき、よかった。

Blue-Kobaton さんの示した資料はキョーリン製薬のラジオNIKKEIで放送している医師向け番組「ドクターサロン」・「杏林シンポジア」の放送内容を紙面とした「ドクターサロン」からの記事である。

以前のものが検索できるということで、「前立腺がん」で検索し、次のPDFファイルをみいだした。
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/210565-1-37.pdf

T2aでIMRTを勧められた東京都の勤務医の質問に対してがん研究会有明病院放射線治療部長の吉岡 靖生氏が答えたものだ。
手術とIMRTを障害含め比較し、どちらかというとIMRTを良しとする論の運びはなかなかのものだ。質問の後半の男性機能に関してIMRTの勃起障害についてこう答えている。
比率としてはかなり少なくなり、一つ放射線治療を選ぶポイントになるのは、神経は当然残りますので男性機能がすぐに損なわれることはまずありません。ただ5年とか、そういった期間を経ますと、例えば50%程度男性機能が弱っているというようなデータがあります。当然神経に放射線が当たっていますので、晩期障害として多少男性機能に影響があることが考えられます。
IGRTのことも説明し、寡分割照射については以下のようにいっている。
従来長く行われてきたのは、例えば39回、1回2Gyという量で、月曜から金曜まで、39回やっていると8週間ですので、おっしゃるように2カ月かかっていました。しかし現在、前立腺がんにおいては寡分割照射といって、当てる回数を少なくしても大丈夫というような臨床試験の結果が出てきまして、現在、当院では28回を基本にして、39回から28回に切り替えました。
さらに少しだけ、研究的ですが、5回の照射も始めたところです。
ドクターサロン65巻5月号(4 . 2021)の記事なので、寡分割照射法の臨床試験の結果で紹介したASTROの2021年10月の発表の前であるが、
がん研有明病院は私の参加した寡分割照射の臨床試験に参加していたので、結果は承知していたのだろう。

ブログ村に参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。
にほんブログ村 病気ブログ 前立腺がんへ
にほんブログ村

この記事へのコメント