SBRTと手術の副作用の比較(ランダム化比較試験)

限局性前立腺癌への体幹部定位放射線治療は手術に比べて尿失禁や性負担感は少ないが排便負担感は強い【ASCO GU 2023】:がんナビを読む。

「PACE試験(NCT01584258)は非盲検マルチコホートの無作為化比較試験。PACE-A試験は、SBRT後の生活の質(QOL)が手術と比較して改善されるかどうかを評価するために実施された」ということだ。最終的には2年観察ができたSBRT群56人、手術群46人を解析対象となった。

SBRTの線量は36.25Gy/5分割、手術は腹腔鏡下またはロボット支援下での前立腺全摘除術が施行された。
T1c-T2c、グリソンスコア≦3+4、PSA≦20ng/mLの患者が対象ということで、PSA非再発率は多分に差がでるかと思うが、前立腺がん死する患者はそう多くはなく、副作用についてランダム化比較試験を実施し違いを明らかにするのは意味あることかと思う。

学会の記事は多分に以下のものだろう。
https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2023.41.6_suppl.298

紹介記事、ASCO GU 2023: PACE-A: An International Phase 3 Randomised Controlled Trial (RCT) Comparing Stereotactic Body Radiotherapy (SBRT) to Surgery for Localised Prostate Cancer (LPCa)—Primary Endpoint Analysisを読んでみる。

クロスオーバーの図示は分かりやすい。「新型コロナウイルス感染症のパンデミックの始まり(2019 年 3 月から 4 月)に募集が停滞した」という記述もそういうことかと思った。

結論の文を引用する。
Dr. von As concluded as follows:

・Compared with surgery, patients receiving SBRT reported better urinary continence and less sexual bother at 2 years
・SBRT patients reported bowel bother symptoms at 2 years than surgery patients
・Grade 2 or worse CTCAE (clinician-reported outcomes) were rare in both arms
・Efficacy data will be reported in the Summer of 2023 (5-year follow-up)

Google翻訳
フォン博士は次のように結論づけています:
・手術と比較して、SBRTを受けている患者は2年時点でより良い尿失禁と性的苦痛が少ないと報告しました
・SBRT患者は手術患者に比べて2年時点で腸の煩わしさの症状を報告しました
・グレード2以上のCTCAE(臨床医が報告した転帰)は、 両群ではまれである
・有効性データは2023年夏に報告される予定(5年間の追跡調査)


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