カナダの 2 つのセンターにおける 5 分割SBRTと中等度の寡分割放射線療法を報告した論文である。
低リスクまたは中間リスクの前立腺がん患者に対してSBRT単独(5回に分けて35〜40Gy)または寡分割放射線療法単独(20回に分けて60〜62Gy)を実施し、PSA非再発生存期間、PSA直下値、PSA直下値までの間隔、PSA再発(PSA直下値より2ng/ml上)までの期間、および全生存期間を検討したものである。
SBRTは205人、寡分割照射は513人で中間リスク患者はSBRTで81%、寡分割照射で95%だった。追跡期間中央値はSBRTで58.6ヵ月、寡分割照射で45.0ヵ月だった。
PSA非再発率および全生存率は治療群間で有意差は無し。
傾向マッチングが行われ、両群が比較された。傾向マッチングについてはfull textにつぎのように書かれている。
傾向マッチングは、患者の年齢、グレードグループ、臨床Tステージ、治療時のPSAなどのベースライン特性によって、HFRTで治療された患者とSBRTで治療された患者をマッチングするために実行されました。傾向マッチング後の5年PSA非再発率はSBRT92.1%、寡分割照射で93.6%、全生存率はSBRTで96.4%、寡分割照射95.0%であった。
結論として以下のように書かれている。
SBRTは、低リスクおよび中間リスク前立腺がんに対する有効な治療法であり、寡分割放射線療法に匹敵するPSA非再発および全生存率を示す。full textの表2をみるとマッチング前の寡分割照射の5年PSA非再発率は91.6%だ。
そんなものかと思う。
SBRTが比較的長期間の実施の結果がだされ、それが寡分割照射と比較され有意差無しということは、こと、低リスク、中間リスクに対してはSBRTが考慮すべき治療になってきつつあるのかと思う。
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