寡分割照射法の臨床試験の結果(プレプリント版、正式版)

寡分割照射法の臨床試験の結果で私が参加したIMRT/IGRT併用寡分割照射法の第II相臨床試験の結果が学会で発表されたことを記した。その後、論文としていつ発表されるかGoogle Scholar で検索していたが、なかなか発表されず、いいかげん、疲れてきた。

本日、久々に検索し"This is a preprint; it has not been peer reviewed by a journal."と書かれた以下の論文をみいだした。
A Japanese Multi-Institutional Phase II Study of Moderate Hypofractionated Intensity-Modulated Radiotherapy with Image-Guided Technique for Prostate Cancer

知りたかったリスク分類別5年PSA非再発率は以下のとおり。

低リスク  94.1%
中間リスク 97.4%
高リスク  93.9%

中間リスクでいえば、80人の患者に対する結果ということで、いい結果がでたのは慶賀すべきことといえる。
滋賀医科大の中間リスクに対する小線源治療の論文で示した岡本論文の7年PSA非再発率99.1%に比べることはできないが、十分満足できる数値だ。

……2023/09/17に追記
生存率に関して次のように書かれている。
5年後の全生存率は94.5%であった。前立腺がんで死亡した患者はいなかった。肺がんで3人、胃がんで2人、膵臓がんで1人、心不全で1人が死亡した。
臨床試験に参加した131 人のうち、5年後7人が亡くなったこと、前立腺がんの治癒を目指しても他のがんに罹りそれの対応はうまくいかなかったということだろう。

高リスクに対する岡本圭生氏の論文では143人に対して5年全生存率は95.5%で4人(前立腺がん死1人)が亡くなった。

……2024/08/12に追記
正式版、 Int J Clin Oncol. 2024 Jun;29(6):847-852.が発行されている。
2024年6月発行ということで、プレプリント版は2023年8月なので1年近くかかっている。
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