高線量IMRTにおける長期術後補助ホルモン療法

Anticancer Res. 2023 Aug;43(8):3589-3596.

京都大学病院においてグリソンスコア8~10、前立腺特異抗原30ng/ml以上のcT3-4N0M0前立腺がん患者全例をトロスペクティブに解析した論文である。
前立腺と精嚢に対して単独でIMRT(39分割78Gy)治療を行ったものである。

2000年9月から2017年6月までに治療を行った患者が対象であり、2011年5月以前は、PSA値が4.0ng/mlを超えた時点でサルベージホルモン療法が開始された(早期サルベージホルモン療法コホート)。2011年6月には、2年間の術後補助ホルモン療法が追加された(術後補助ホルモン療法コホート)。

合計88例(両コホートとも44例)が解析され、追跡期間の中央値は、早期救済ホルモン療法群と術後補助ホルモン療法群でそれぞれ10.9年と6.1年であった。全生存率に有意差は認められなかった。
8年 PSA非再発率
術後補助ホルモン療法:73.6%
早期サルベージホルモン療法:34.1%

8年 抵抗性前立腺がん無再発率
術後補助ホルモン療法:95.5%
早期サルベージホルモン療法:73.6%

結論としてこう書かれている。
複数の好ましくないリスクを有する局所進行前立腺がん患者において、高線量強度変調放射線療法に長期補助ホルモン療法を追加することは、生化学的不成功後に早期に救済された場合でも、短期ホルモン療法よりも有意に良好な病勢コントロールをもたらした。
京都大学では頑なに高リスクの場合にも術後ホルモン療法を実施しないという印象だったが、今回追加したほうが良好な病勢コントロールをもたらすという論文を発表したということのようだ。

ひげの父さんは前立腺がんを患ってによると2005年にIMRTで治療したとのことだが、術後のホルモン治療はなしで、PSA再発となった。

PSA:147
臨床ステージ:CT3
グリソンスコア:5+4

……2023/08/25に追記
ひげの父さんこと武内務さんが京大病院で治療を受けたことは主治医の溝脇医師が講演で明言している。
https://youtu.be/IyHLVbNK8YE?t=18

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