前立腺がん治療後の「後悔」についての記事、前立腺がん治療後の「後悔」について | 総合東京病院を読んだ。
論文、JAMA Oncol. 2022 Jan 1;8(1):50-59.、full textの概要を紹介したものだ。
論文の患者の内訳等を以下に記す。
患者2,072人からなる集団ベースのコホート研究であり、治療法患者の内訳は以下のとおり。
手術 1136人(55%)
放射線治療 667人(32%)
監視療法 269人(13%)
5年後に治療に関連した後悔を表明した患者
手術 183人(16%)
放射線治療 76人(11%)
監視療法 20人(7%)
full textのFindingsにこう書かれている。
積極的な監視と比較して、手術を受けた患者は後悔を経験する可能性が有意に高かったが、放射線療法を受けた患者はその可能性の増加とは関連しなかった。治療法の分類に関しては以下のように書かれている。
we examined initial treatment, categorized as radical prostatectomy, radiotherapy (external beam radiotherapy, brachytherapy, or both), or active surveillance.放射線治療はHDRは対象外である。
調査方法に関しては「診断から6ヵ月後、12ヵ月後、3年後、5年後に郵送調査を行った。2回郵送しても回答がない場合は、訓練されたアブストラクタが電話で患者にアンケートを行った」とのこと。
アブストラクタに関しては次のページを参照のこと。
https://www.tn.gov/health/health-program-areas/tcr/cancer-reporting-facility-training/module6.html
なお医療データベースの患者を抽出したが、「対象は、診断時に80歳以下で、臨床的に限局した前立腺がん(cT1~cT2、cN0、cM0)、前立腺特異抗原値が50ng/mL未満、診断から6ヵ月以内に登録された男性」とのこと。
質問はadditional data fileより以下のとおり。
Better off with different treatment筆者の国枝悦夫氏には放射線治療コラムというページがある。
Was it really worth being treated
Feel the treatment was the wrong one
Would choose another treatment if I could
Wish I could change my mind about treatment type I chose
前立腺がんの放射線治療は5回だけ外来通院でよい?では定位放射線治療の論文の紹介をしている。最後の次の文はいくぶん保守的な見解である。
ただ、まだ更に長期の10年以上経過をみた結果が少ないこと、基盤となるIMRT技術自体が日本では普及が遅れており経験が少ないこともあり、すべてのリスクグループで標準的におこなうには注意も必要です。なお、国枝氏の経歴などは放射線治療センター | 総合東京病院に書かれている。
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