もう少しGoogle Scholarで検索し、次の弘前大学泌尿器科の大石卓也氏を筆頭著者とする次の論文をみいだした。
Sci Rep. 2023 Mar 1;13(1):3436、full text
ロボット支援前立腺全摘除術(RARP)と広範囲骨盤リンパ節郭清術(ePLND)を併用した場合と、術前化学ホルモン療法(NCHT)を行い、ePLNDなしでのRARPとの間で、術後合併症と予後に対する治療戦略の影響を比較した論文である
高リスク前立腺がん患者が対象であり、ePLNDグループ 150人とNCHTグループ 302人、計452人が対象で、弘前大学病院の患者だけでなく、上尾中央総合病院の患者が対象である。
NCHTグループとは先に紹介した論文と同様で、LH-RH analogue+低用量エストラムスチンによる治療を術前に行ったものである。
先に紹介した論文では2012年1月から2019年4月までロボット支援手術を実施した344人が対象であり、今回は2012年1月から2021年2月まで2つの病院で術前内分泌化学療法を受けた302人が対象ということで、単純に先の論文での患者すべてが含まれているわけではない。
「逆確率重み付け(IPTW)法を用いた多変量Cox回帰分析を行い、予後に対する各治療法の影響を評価した。」と書かれていて、次のように記述されている。
IPTW調整後の生化学的無再発生存率およびCRPC無再発生存率は、ePLND群よりもNCHT群で有意に高かった。とはいえ、具体的なPSA非再発率の値は書かれていない。Figure 2のa及びcをみてみると、どうも5年PSA非再発率は術前治療有りの場合は75%よりいいのではと目視確認する。
a: 生化学的無再発生存期間 (BCR-FS) の逆確率重み付け (IPTW) 法を使用したコックス回帰分析
c: 生化学的無再発生存期間 (BCR-FS) の未調整分析
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