救済放射線治療後のPSA値は全生存期間を含む長期転帰を予測

手術後PSA再発した場合、救済放射線治療を実施する場合がある。治療が終わった後、外照射と同様にPSAの推移は大いにきになると思う。

IMRT後のPSA値で参照した名古屋市立大学大学の論文の表題同様な検索語でさがし次の論文をみいだした。
Acta Oncol. 2018 Mar;57(3):362-367.
ウルム大学病院のDetlef Bartkowiak 氏を筆頭著者とする論文である。

1997 年から 2011 年の間に中央値 66.6 Gy で救済放射線を受けた464 人の患者が対象とした論文である。

RP:根治的前立腺切除術
SRT:救済放射線治療
nadir:最低値

この論文において、SRT 後の進行はPSA が最低値を上回る 0.2 ng/ml を超える上昇、または抗アンドロゲン剤の適用または臨床再発のいずれかとして定義された。

結果としてこう書かれている。
単変量解析では、RP前PSA<10ng/ml、病理学的ステージpT<3、グリソンスコア<8、手術断端陽性、SRT前PSA<0.2ng/ml、SRT後PSA nadir<0.1ng/mlは、より少ない、より遅い二次再発と相関した。
SRT後のPSA反応を回帰分析に含めると、直後≧0.1ng/mlが最も強い危険因子となった。PSA<0.2ng/mlでSRTを開始したことは、SRT後のPSA<0.1ng/mlと相関があった。SRT後のPSA nadirが検出不能(PSA <0.1 ng/ml )の場合は転移の割合も低く、全生存期間も良好であった。
論文のfull textのFigure 1の図Bをみるとnadir<0.1ng/mlでもPT2とPT3-4とは大きく異なっている。PT3-4のほうがより早く進行している。
ただし、 nadir≥1の場合はそう差はなく、SRTでPSAが0.1ng/mlに達することが重要であることがわかる。

「断端陽性がより少ない、より遅い二次再発と相関」というのが分からなかったが、断端陽性は手術で完全に取り切れていないということであるということでその取り切れていないがん細胞に放射線を照射することが有効だと考えれば、納得する。

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