小線源療法による治癒率は手術以上ではあり得ない

病院の実力 YOMIURIムック__2020年 HDR治療数で高知大学の小線源治療について書いた。

診療|高知大学医学部泌尿器科学教室 前立腺癌に対するヨウ素125シード線源永久留置による密封小線源治療をみてみる。

「5. 治療の欠点」の「治療効果の限界」という表題で興味あることが記述されている。以下のように書かれている。
アメリカでは10年の経過を見た後の治療成績が発表になっていますが、そこでは、この治療の成績は全摘手術や外照射療法とほぼ同等とされています。しかし、癌細胞の中には放射線を照射しても死滅しないものがある可能性があり、小線源療法による治癒率は手術以上ではあり得ないと考えています。小線源療法で治療する際、解剖学的な理由と、尿道の線量を過剰にしない配慮から尿道前面には線源を留置しません。そのためその領域の照射線量が多少低くなる傾向にあります。前立腺の中において、その部分が最も癌の発生しにくい部位ですのであまり問題にはならないのですが、たまたまその部分に癌があると治療効果が不十分なこともあり得ます。
尿道前面には線源を留置しないということで、その部分に前立腺がんがあったら、どうなるのだろうかと疑問に思っていた。そのことに対して、治療効果が不十分なこともありえると書いているのは、ほんと正直に限界を記述している。

しかし、小線源療法による治癒率は手術以上にならないことを書いている文はちょっと納得いかないところがある。
放射線に負けない前立腺がんがあるので、小線源は劣るというのはそういったがんの比率がどの程度なのか示していないので、にわかに納得いくものではない。
たとえそういったがんがあったとしても前立腺内に限局しているということで手術したら、実は浸潤していたというのが割合としては元気ながんより多いのではと思ってしまう。

小線源治療の場合、線源の配置または外照射の併用で浸潤している場合にも対応可と思う。
この高知大の記述のように手術の優位性を確信している医師が多いのだろうか。

なお、「10. 高知大学における前立腺癌に対する密封小線源治療基本方針」では小線源単独で行うのは低リスク群であり、中リスク群はHDR単独、高リスク群はHDR ( + 外部照射 + 内分泌療法)と書かれている。

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