東京医療センターにおけるロボット支援手術教育を先行して受ける専攻医に対するトレーニングシステム

日本ロボット外科学会 専門医制度で言及した小津兆一郎医師についてGoogle Scholar で検索し、次の論文をみいだした。
ロボット支援手術教育を先行して受ける専攻医に対するトレーニングシステムと, その専攻医におけるロボット支援下根治的前立腺全摘除術の手術成績

2019年 1 月から2021年 3 月に東京医療センターで施行された159例を専攻医が90%以上執刀した症例とそれ以外を比較したものである。専攻医に対するトレーニング方法が書かれていて、(要旨)の最後にはこう書かれている。
コンソール時間は有意に長くなるが,尿込み出血量,周術期合併症発症率,術後在院期間,切除断端陽性率に有意差は認めなかった.専攻医の手術教育において,本カリキュラムは有用と思われた.
RAS:Robot Assisted Surgery(ロボット支援下手術)に関して以下のような状況だと書かれている。
若手医師は開腹手術,腹腔鏡手術の教育を十分に受ける前に RAS の教育を受ける機会が増えてきた.それに伴い,RAS を先行で教育を受ける若手泌尿器科医師の増加が予想される.
このことに対応する東京医療センターで実施されているトレーニング プログラムが紹介されている。「2.5 cm 四方の折り紙で折鶴の作成を通して,ロボットアームの協調運動や力加減などを習得している」ということで十円玉と比較した折られた鶴の写真が掲載されていた。
手では折ることのできない人もロボット手術支援装置のアームでは折ること可能の場合もあるのだろうか。

RARP: robot-assisted radical prostatectomyは15の手順に細分化されている。さらに三段階に分割っされていて、「各段階で指導医の判断により習得度が基準を満たせば,次の段階に進むようにしている」ということでシステム化されたトレーニングのようだ。

論文の趣旨とは直接関係しないが、Table 3 をみるとcT3の患者は10%以内だが、pT3は24%以上ということで、やはり切ってみないと分からないといえる。

筆頭著者の小澤 佑氏含め、東京医療センター所属でない医師が多いという率直な感想だ。
小澤 佑氏が所属している板橋中央総合病院はダイヤモンド・オンライン ロボット手術数ランキングで示した吉岡 邦彦氏がロボット手術センター長の病院だ。
このダイヤモンド・オンラインの記事はロボット手術で足りないのは「人の手」 週刊ダイヤモンド19年10月19日号でも紹介している。

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