医療を専門とする法律事務所、冨永愛法律事務所の泌尿器科で前立腺がんを見落とされ治療開始が遅れたことについて数百万円以上の和解が成立した事例を読む。
四国地方の泌尿器科クリニックを受診した患者の例で「遠方で来所いただくことも大変であるためWEB会議による法律相談」を行ったということだ。
「頻尿の訴えをして泌尿器科に定期的に受診していたにもかかわらず、前立腺がんのための検査が全く行われず、1年にわたってがんの診断が遅れてしまいました。診断されたときには、すでに前立腺がんの骨転移が明らかになった」ということで示談交渉を行い、数百万円以上での和解が成立した事例ということで、解決事例としてあげられている。
「PSAは上昇傾向にあり、前立腺がんを疑うべき事情があったことが明らかになりました。」という事情で一年間も検査をしなかったことは確かに医師としての過誤があったことを認めての和解だったろう。
PSAの推移がどうだったかが書かれてないので具体的にわからないが、結局患者は総合病院を受診し、前立腺がんということがわかったということで、もう少しはやく、生検できる病院の紹介をクリニックに申し入れることできなかったか少し疑問になる。
「がんの悪性度、特にグリソンスコアから1年前に診断していた場合に骨転移をしていなかった可能性があることやその可能性を医学文献を加えて示し、相手方に文書で送りました。」ということで、これもGSがどうだったか具体的にあげていないので分からないが、多分に9あるは10といった値ではなかったのだろう。
いずれにしろ、和解金をもらっても骨転移で前立腺がんが発見された状況の時を戻すことはできず、がんの恐れを抱く患者であることが自分を守るのに一番ではないかと思う。
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