小線源治療における下部尿路症状

徳島大学の森英恭氏を筆頭著者とする論文、In Vivo. Jul-Aug 2017;31(4):755-761.(PubMed)、full textのResults にはこう書かれている。
IPSS重症度カテゴリーのうち、軽度重症度グループは種子移植前の全患者の半数以上で構成されていたが、この比率は移植後1ヶ月で20%未満に低下した(図1)。症状の重症度は治療後1ヶ月で最悪であり、3年以上後に治療前のレベルにほぼ回復しました。
Discussion の冒頭では次のように書かれている。
小線源治療を選択する患者は、手技の低侵襲性、有利な効力維持率、より短い入院期間、およびより低い尿失禁のリスクに魅了されています。しかし、LUTSは小線源治療後の男性にとって大きな合併症の1つです。ほとんどの男性は、小線源治療後に排尿パターンに少なくともいくらかの変化を経験するでしょう。
これは、泌尿器機能の恒久的な変化が放射線注入によって起こることを示唆しています。線源の着床は慢性的な炎症を引き起こす可能性があり、それはより高いIPSSおよびより大きな前立腺容積と有意に関連すると報告されています。
LUTS:Lower urinary tract symptoms 下部尿路症状 1)

論文の表題は「限局性前立腺癌に対する恒久的125 I 近接照射療法後の長期排尿障害の予測因子」ということで排尿障害の予測因子を論じたものだ、ここではAbstractのResultsを示す。
前立腺容積が30 cm 3を 超える場合、前立腺容積の90%(D90)までの放射線量が160 Gyを超え、尿道容積の30%(UD30)までの放射線量が240 Gyを超える場合、平均IPSSレベル治療後30ヶ月でさえ、有意に高かった。多変量解析では、ベースラインIPSSが8ポイントを超え、D90が160 Gyを超えることが、IPSS解決の遅延の重要な予測因子でした。
どのような治療法に利点と不利益がある。もちろん人によるところ大ですが、治療前に副作用をしっておくことは大事かと思う。

1)前立腺肥大症・男性下部尿路症状|東京大学医学部泌尿器科学教室 には以下のように書かれている。
1. 男性下部尿路症状とは?

下部尿路症状とは膀胱に尿をためる(蓄尿)、尿を排出する(排尿)行為が円滑にできなくなっている症状のことです。尿を貯めて出すという自然な生理現象が加齢とともに不自然な状態となり、トイレが近い、尿の勢いが弱い、残尿感がある、夜間にトイレに起きるようになった、などの自覚症状があらわれるようになります。
……腺友ネット:掲示板への2019年3月19日の投稿より

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