こう書かれている。
一日ワイン一杯程度の少量のアルコールでも十年間飲酒を続けると、がんになるリスクが5%上がるとの研究結果を東京大などのチームが九日、米医学誌に発表した。アルコールががんのリスクを増す、特に食道がんではということは既知であるが、少量でもそうであるということは少し驚きだった。オリジナルの論文ということで検索し次の資料をみいだす。
低~中等度の飲酒もがん罹患のリスクを高める
全国 33 箇所にある労災病院から登録された入院患者の病職歴データベースを用いた研究とのことだ。以下のように書かれている。
その結果、がん全体についてみると、飲酒をしなかった人が最もがん罹患のリスクが低く、また、飲酒した人のがん全体の罹患リスクは低~中等度の飲酒で容量依存的に上昇し、飲酒指数が10 drink-year の時点で(例えば 1 日 1 杯を日常的に 10 年間継続)オッズ比が 1.05 倍に上昇しました。飲酒量の定義は以下のように書かれている。
本研究では、生涯飲酒量は、日本酒1合(180 mL)、ビール中瓶1本(500 mL)、ワイン1杯(180mL)、またはウイスキー1杯(60mL)を標準化された飲酒1単位(推定アルコール含有量 23g)として、1 日の平均飲酒量(単位)に飲酒期間(年)を掛けたものを飲酒指数(drink-year)として定義しました。東京新聞の「十年間飲酒を続ける」というのは厳密にいうと正確ではない。あくまでも生涯飲酒量を飲酒指数(drink-year)で表現したものだから。
「表 飲酒指数が 10 drink-year の時点での各種がんのオッズ比」 が新聞の「1日1杯を10年間飲み続けた場合のリスクが高かったがん」のもととなるものである。
前立腺がんも 1.07 でそれなり高い値である。といっても親族に前立腺がん患者がいる場合がもっとリスクが高い。
発表論文 筆頭著者:財津 將嘉
Cancer. 2020 Mar 1;126(5):1031-1040.
full text の図3をみるとP 前立腺がん はB 食道がん のように飲酒量が増えるとがんのリスクが大きく増えるというわけではない。
私はたぶん、30 drink-year 程度なので、少しは前立腺がんのリスクは増大したが、そう大きかったとはいえない。やはり、父親が前立腺がんに罹患したということががんリスクの大きな要因だったろう。
頻尿で診察を受けた泌尿器科クリニックで父親の前立腺がんのことをいうとPSA検査を受けたほうがいいといわれ、6.02というそう高い値ではなかったがはっきりするために生検を勧められた。
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