2006年8月から2011年8月の間に、ロボット支援手術を受けた前立腺癌がん患者200名が対象である。前立腺がんに対するロボット支援手術が保険適用になったのは2012年なので、それ以前に実施されたものに対する研究論文である。こう書かれている。
最初の25症例の総手術時間は経験の蓄積と強い相関があることを示した。平均推定出血量は経験の積み重ねと強い相関はなかった。最初の50例の断端陽性率は次の150例のそれより有意に高かった(34.8% vs 19.4%、P=0.035)。最初の50例における合併症率は、残りの150例における合併症率よりも有意に高かった(32% vs 12.7%、P=0.002)。ロボット支援手術だといっても数十例の経験で習熟するわけではないということを一外科医の例ではあるが、示した論文といえる。
12 ヵ月後の失禁率は,最初の 100 例が次の 100 例に比べて有意に高かった(9.0% 対 1.0%,P=0.009)。
結論 この低侵襲手術の機能的および病理学的結果は有望であると思われた。手術時間,断端陽性率,合併症率,失禁率に関して,個別の学習曲線が観察された。外科医が必要な技術を十分に習得するためには、100件の手術に触れることが必要であると思われる。
東京医科大からはベテランのロボット支援手術を行う医師が転籍したということをきくが、橋本医師はその後を補っているようだ。
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