リンパ節転移にSIB-IMRTが有効 日高病院の報告

昨今はGoogle Scholarの検索結果をみることが多くなり、それなりに興味ある論文に遭遇する。

日高病院放射線科の大西 真弘氏を筆頭著者とするCancers (Basel). 2021 Jul 31;13(15):3868. full textを読む。
日高病院に関してはサイトに高草木氏の論文 日高病院における寡分割照射という記事を書いている。

論文は2008年6月から2017年10月の間に根治的放射線治療を受けたcN1前立腺がんの合計97人の連続した患者を対象として分析したものだ。

患者はSIB(Simultaneous Integrated Boost)-IMRTを受けた。前立腺と精嚢、選択結節部、残留リンパ節に照射された所定の線量は、30分割でそれぞれ、69 Gy(2.3 Gy /分割)、60 Gy(2.0 Gy /分割)、および54 Gy(1.8 Gy /分割)だった。
ホルモン治療は放射線治療前は6ヶ月以上と定義されたが、放射線治療後のホルモン治療は泌尿器科医の裁量にまかされた。放射線治療後のホルモン治療は54カ月(範囲、2~126カ月)だった。

5年PSA非再発率
85.1%

再発に関しては次のように書かれている。
追跡期間中、15人(15.5%)の患者が生化学的失敗を経験し、RTから生化学的失敗までの期間は1~85カ月(中央値13カ月)であった。さらに、12人の患者(12.4%)が臨床的に再発し、その内訳は、局所病変が2人(2.1%)、遠隔病変が8人(8.2%)、局所病変と遠隔病変の両方が2人(2.1%)であった。
リンパ節転移の場合、ホルモン治療だけで治療を行うのではなく、ホルモン治療に加えてリンパ節領域と前立腺局所に異なる線量を同時に照射する強度変調放射線治療(simultaneous integrated boost: SIB-IMRT)での治療が有効であったという一病院の結果ではあるが示されたといえる。

……2021/11/08 ホルモン治療に関することを追記

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