木村医師は1978年東大を卒業され、横浜で泌尿器科クリニックを開いている。小線源治療に関して前立腺が動くことに関連して独特な比喩で説明している。木村医師自身は小線源治療は実施したことはなく、今後も行うことはないとのことだが、「日本で最初に前立腺癌小線源療法を行った、目黒区の国立病院の医長を横浜に招いての勉強会」をきいてのblog記事は以下のとおり。
崎陽軒本店|横浜市都筑区木村泌尿器皮膚科 前立腺癌勉強会@崎陽軒本店
こう書かれている。
前立腺に針を刺していくと、前立腺が内側に逃げて行って、湾曲した曲線上に小線源が並ぶ話など、教科書には書いてない話ですが、前立腺針生検を数多くやっているとよく理解できます。片手でもオニオンスライスをつくることはできるが、そのことにどれだけ習熟しているかということだろう。
玉ねぎを左手で押えないで包丁で切ろうとしたときを想像してみてください。包丁に押されて玉ねぎが逃げるようなものです。
何事も手引き書に書いてある模式図通りには行きません。小線源療法もある程度経験を積んだ施設で受けましょう。
第26回神奈川県前立腺腫瘍研究会に参加してのD90とV100に関する説明も秀抜だ。
前立腺癌放射線療法勉強会@崎陽軒本店の以下の記述。
治療後CTを取り直し、実際に植え込まれたシードの場所から、前立腺全体に満遍なく放射線を当てられるか、今後を予想するのがポストプラニング。小線源治療のBEDで書いたように小線源のBEDを計算する際、D90は結構重要な値である。
そしてポストプラニングでの採点に用いられるのが、D90とV100なる数値です。
D90は前立腺の90%に照射できるであろう線量(Dose)の予測値。
V100は処方線量の100%以上が照射された前立腺体積(Volume)の割合。
まあ、前立腺にまっすぐ針を刺すのは、片手でオニオンスライスを作るように難しい、という例えからすれば、D90とV100はどれだけ美しくて薄い、オニオンスライスが作れたかの、「料理の鉄人」の採点項目みたいなものです。
小線源治療が終わったあと、患者は皆その値を教えてもらっているのだろうか。
それとも調理の鉄人でない人は教えたがらないのだろうか。
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