サイバーナイフによるSBRTについて少し調べてみた。
サイバーナイフによる定位放射線治療を読む。
さいたま赤十字病院放射線治療科の塚本信宏氏の記事であり、こう書かれている。
前立腺のSBRTでは,標的が前立腺全体であるため,標的内の細胞を全滅させることが目標ではない。このことはSBRTとしては例外的で,むしろ,照射回数の少ないIMRTと捉えるほうが実態に近い。海外では,多くの前立腺癌患者がSBRT(35 Gy~37.5 Gy/5分割程度)を受け,局所制御はIMRTや小線源治療に比べて遜色なく,有害事象も同程度かそれ以下の許容範囲内であるとする報告が多い19, 20)。さらに次の記述。
20)Radiat Oncol. 2013 May 13;8:118.
照射時のわずかな位置補正も可能なサイバーナイフでは,リニアックによるSBRTよりも,正確な位置に照射できると考えられる。海外のSBRTもサイバーナイフによる報告が多い。20)で示されるFlushing Radiation Oncology ServicesのAlan J Katz氏を筆頭著者とする論文をみてみる。
患者総数 304人 低リスク 211人, 中間リスク 81人 高リスク 12人
5年PSA非再発率
低リスク 97%
中間リスク 90.7%
高リスク 74.1%
高リスクの人数が少し少ないと思う。
さらに次のように書かれている。
中間リスクのカテゴリーでは、グリソンスコアが4+3の患者の5年PSA非再発率は84%であったのに対し、グリソンスコアが4+3未満の患者のPSA非再発率は95%であった。Katz氏が共著者であるより多い患者数、長期間で中間リスクを分けて報告されている論文がある。
・JAMA Netw Open. 2019 Feb 1;2(2):e188006.
ただし、この論文におけるSBRTはサイバーナイフによるものだけではなく、リニアックによるSBRTも含まれる。
総数:2142
低リスク:1185
予後良好な中間リスク:692
予後不良な中間リスク:265
7年PSA非再発率
低リスク:95.5%
予後良好な中間リスク:91.4%
予後不良な中間リスク:85.1%
米国においてそれなりにSBRTによる治療が行われていることが窺える。
Katz氏 はもう少し長期の報告をしている。
・Front Oncol 2014 Sep 2;4:240.
患者総数 477人 低リスク 324人, 中間リスク 153人
7年PSA非再発率
低リスク 95.6%
中間リスク 89.6%
さいたま赤十字病院のSBRTの治療の状況を少し調べた。
1. さいたま赤十字病院|放射線治療科
2. さいたま赤十字病院|泌尿器科
2. をみるとSBRT(体幹部定位放射線治療)は2019年80件実施されたとのことだ。
……以下 2021/05/12に追記
塚本信宏氏は医師ご紹介| 宇都宮セントラルクリニック 放射線治療センターによると金曜日の午後に宇都宮セントラルクリニックに勤務している。
ブログ村に参加しています。ランキングのクリック、よろしくお願いいたします。

にほんブログ村
この記事へのコメント