救済放射線治療にホルモン治療併用のRCT

前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版のP.191には以下のように書かれている。
救済放射線療法(SRT)に救済ホルモン療法(SHT)を併用した場合の有効性については、RTOG9601等のRCTが進行中であり、SRTと抗アンドロゲン薬によるSHTの併用がSRT単独よりも治療後のPSA進行および転移を有効に抑制することが示された(52ed Annual ASTRO Meeting)。
検索し、以下の論文をみいだした。
NEJM 再発前立腺癌に対する放射線療法における抗アンドロゲン療法の併用と非併用との比較

手術の後、T2(前立腺に限局しているが切除断端陽性)または T3(組織診断で前立腺被膜を越えて進展)と評価され、リンパ節転移はない患者760人が対象である。
放射線療法を行い,放射線療法施行中および施行後に,抗アンドロゲン療法(ビカルタミド 150 mg/日を 24 ヵ月間)を行う群と,プラセボの錠剤を連日投与する群に割り付けた。
該当臨床試験NCT00002874をみると救済放射線治療は以下のとおり。
36分割で64.8 Gy(1週間に5回の毎日のセッションで1.8 Gy)

結論は次のように書かれている。
サルベージ放射線療法に 24 ヵ月間のビカルタミド連日投与による抗アンドロゲン療法を追加した場合,放射線療法にプラセボを追加した場合と比較して長期全生存率は有意に高く,転移率と前立腺癌死亡率は有意に低かった.
ビカルタミド(商品名:カソデックス)を販売しているAstraZeneca 社が研究助成をし、いい結果がでたのはめでたいことだ。

前立腺癌 診療ガイドラインの次版では救済放射線治療にホルモン治療併用が推奨グレード Aになるのだろうか。

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