監視療法 reclassification率

監視療法を行う場合は条件、基準がある。
臨床研究が行われていてその基準は前立腺癌診療ガイドライン 2016年版のP.103の「表 各国の監視療法に関する前向き試験での患者選択基準」に載せられている。
研究の結果をはかるものとして(reclassification:病理学的基準逸脱 Gleasonスコアの上昇または陽性コア数の増加)率がある。

ガイドラインのP.102にはこう書かれている。
「監視療法開始1年後の再生検でのreclassification率は約30~40%と高率である。」

PRIAS 研究という世界最大の監視療法の臨床研究が進行中であり、日本も2010年からPRIAS studyにPRIAS-JAPANとして参加している。そのPRIAS studyについて2016年の日本癌治療学会で「(PSA)監視療法の中間報告―PRIAS-JAPANより―」と題されて発表された。こう書かれている。
Reclassification率は1年目、4年目でそれぞれ30.3%(104名)、25.0%(8名)だった。
PRIAS-JAPANの情報ということで検索し、以下の論文をみいだした。
Predictors for reclassification at repeat biopsy in active surveillance cohort for low-risk prostate cancer: From an interim analysis of PRIAS-JAPAN.

筆頭著者は香川大学の教授の杉元 幹史氏だ。
711人が登録され一年後の再生検後、reclassification されたのは122人でreclassification率は29.8% であり、こう書かれている。
陽性コア率は、監視療法開始後1年で病理学的再分類の最も強力な予測因子でした。
論文にはReclassification group(n = 122)とNon-reclassification group(n = 287)の表が載っている。
陽性コア率の中央値は以下のとおり
Reclassification group  10.0%
Non-reclassification group 8.33%

前立腺がんのPSA監視療法 -治療をしないという選択肢- 杉元 幹史の講演でPRIAS-JAPAN の説明をしている。
杉元氏の講演での監視療法のいいところ、悪いところで「あまりくよくよ悩まない人には」監視療法はいい方法だといっている。

杉元幹史氏が監修した国際共同前向き試験「PRIAS-JAPAN」でエビデンスが蓄積 早期前立腺がんに対する監視療法は、高齢者だけでなく働き盛りの世代にも選択可能 | がんサポート 株式会社QLifeという記事もある。

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……掲示板への2019年 9月28日の投稿に追記したものである。

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