自然治癒 自然退縮について

がんが自然に治るのは極めてまれなことであるかと思うがありうることだ。巷の奇跡の治療といった体験談はその人が本当はがんでなかったのでなく、がんであった場合、西洋医学、標準治療をしなくて治ったというのは自然治癒したとしか考えられない。

がんの自然治癒(自然退縮)はありうるか? |Web医事新報|日本医事新報社にはこう書かれている。
2011年の1年間だけで63例も報告されています。このような症例は,わが国ではがん患者約1.2万人に1人の割合で発生し,6日に1人以上の頻度でみられるということになります。
自然治癒に関しては次のような記述。
「自然」というのは,「治療がまったく行われなかったもの」と,「がんに対しては有効とは考えにくい療法が行われたもの」も含まれます。「治癒」というのは,主腫瘤および転移巣が消失した症例から,腫瘤が縮小して症状などが緩和した症例まで含まれます。さらに,このような現象がみられた後に再発したものも認められます。
確率に関して、個人サイトなので信頼性に関してはそうあるといえないと思うが、自然退縮・自然治癒には次のように書かれている。
がんには、極まれに、自然退縮と呼ばれる自然治癒例が存在することが分かっています。 自然退縮が起きるのは数万人に1人とも言われるけれど、正確な確率については分かっていません。 また、がんの種類によっても自然退縮が起きる確率に差があります。
もう少し"自然退縮"のキーワードで調べ、京都第一赤十字病院の村西佑介氏が2012年に前立腺がんではなく、肺多形癌だが、自然退縮のみられた症例について自然退縮がみられた肺多形癌の 1 例と題して発表している。

いずれにしろ、自然退縮 spontaneous regression というキーワード が設定されているので、医学用語としてあるのだろう。それは稀な例ということで case study として報告されている。
次のように書かれてる。
悪性腫瘍の自然退縮はまれとされ,またこれまでは肺多形癌の自然退縮の報告はなく,文献的考察を加えて報告する.
上記の個人サイトに以下の論文が紹介されていた。 1)
J Natl Cancer Inst . 2018 Jan 1;110(1).full text

「がんに対する代替医療の利用と生存率への影響」という表題である。
「代替医療を受けた患者は、「その他の証明されていない:医療従事者以外が行うがん治療」としてコード化され、化学療法、放射線療法、手術、ホルモン療法と定義される従来のがん治療も受けていない患者として識別された」ということで、陽には自然治癒のことはいっていないが、Web医事新報に書かれた「自然」に含まれている「がんに対しては有効とは考えにくい療法が行われたもの」といわゆる標準治療の比較と考えていいだろう。

以下のグラフが興味深い。

代替医療を受けた患者(実線)と従来のがん治療を受けた患者(破線)の全生存率
(A)全患者、(B)乳がん、(C)前立腺がん、(D)肺がん、(E)大腸がん

前立腺がんはあまり差がないようにみえる。こう書かれている。
注目すべきは、代替医療の利用と前立腺がん患者の生存率との間に統計的に有意な関連性がなかったことです。これは、前立腺がんの自然史が長く、本研究の追跡期間の中央値が短かったことを考えると、予想外のことではない。本研究の対象者では、前立腺がん患者の約74.6%が低~中リスクの疾患であり、このサブグループでは、10年後の観察と手術または放射線治療とホルモン療法を比較した場合、死亡リスクに差がないというレベル1のエビデンスがある。
1) 代替医療の現状

……掲示板への2016年 2月27日の投稿に追記したものである。

……2021/04/02に追記
日本医科大学武蔵小杉病院の勝俣範之氏のがんの自然退縮と交絡バイアスについてという文をみつけた。
勝俣医師も自然治癒の経験があるということだ。こう書かれている。
長い間がん患者さんを診ていると、自然治癒の患者さんにも遭遇します。
ある子宮体癌の再発患者さんは、腹水もたまっていましたが、抗がん剤始める前に、腹水が消えてしまいました。


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