小線源治療の処方線量、D90

小線源治療における生物学的効果線量(biologically effective dose;BED)の計算のやり方についてはサイトの小線源治療のBEDに書いた。BEDはD90が分かれば計算できる。話としてはそれで終わりだが、実感として理解していなかった。それは小線源治療を受けたわけではないので、当然とはいえるが。

信州医誌,62⑹:431~439,2014にはこう書かれている。
LDR 小線源治療での照射線量は小線源治療単独で144-160Gyを照射することが一般的である。線源配置は前立腺の辺縁に配置して尿道の線量を減らす辺縁配置法がとられる。前立腺癌の治癒率と相関する因子として,前立腺体積の90%をカバーする最低線量(D90)や処方線量の100%が照射される前立腺体積の割合(V100)がある。
東京医療センターにおける処方線量に関しては以下の論文より「2003年9月から2006年11月までは144Gyであったが、2006年11月以降160Gy」とのことだ。
Japanese Journal of Endourolog 26 巻 (2013) 2 号 176-181

日本一治療数の多い病院だから線量が160Gyで治療を行っているというわけではなく、例えば、琉球大学における小線源治療で書いた琉球大学でも処方線量は160Gyだ。
琉球医学会誌 Vol.37 no.1-4 p.13-17full text 期間:2009年から 2016年まで

とはいってもみなみなが2006年11月以降、160Gyに増量したというわけではない。例えば、北里大学は145Gyだ。
J Radiat Res.2014 Mar 1;55(2):328-33.full text 期間:2004年5月から2007年8月まで

D90等の線量は小線源治療後のポストプランにおけるCT撮影で分かるようだ。MRIを使用する場合もあるようだ。ブラキセラピー 紹介の先生方へ | 熊本赤十字病院にはこう書かれている。
ポストプラン
小線源治療の3週間後にMRI、1ヵ月後にCTを外来で撮影し、治療後線量計算を行います。
熊本赤十字病院では低リスクは「小線源療法単独(145Gy)」と書かれている。

琉球大学の論文にはD90の中央値は173.9Gy で幅は(109.9-225)と書かれている
同じ処方線量で治療をしてもD90の値は同じではない。それはBEDも当然幅があるということだ。

……掲示板への2021年2月16日の投稿をもとにした記事である。

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