前立腺がんに関して「表 CONCORD-3 の結果に見る日本の生存率」 をみると日本の5年純生存率（2010-2014）は93.0%となっている。さらに日本の5年純生存率（2010-2014）の位置* は B 90-97%となっている。
* 論文中の生存率の良・不良のカテゴリー（A～E）。部位毎に閾値は異なる。
そこでThe Lancetの論文をみてみた。full text はユーザ登録すれば無料でみることができるということなので登録した。（現在は無料ではみることはできない）
Table 7より 2010-2014 の5年生存率は以下のとおり
米国 97.4%
マルティニーク 97.9%
プエルトリコ 98.4%
ブラジル 91.6%
日本 93.0%
中国 69.2%
韓国 89.9%
シンガポール 87.8%
イスラエル 95.6%
リトアニア 94.3%
イタリア 89.5%
オーストラリア 94.5%
フィンランド 93.2%
本文中には以下の記述がある。
For men diagnosed during 2010-14, 5-year survival was approaching 100% in Puerto Rico, Martinique, and the USA. Survival was at least 90% in a further 22 countries: Brazil and Costa Rica; Canada; Israel, Japan, and Korea; 14 European countries (Iceland, Ireland, Finland, Latvia, Lithuania, Norway, and Sweden [northern Europe]; Italy, Portugal, and Spain [southern Europe]; Austria, Belgium, France, and Germany [western Europe]); and Australia and New Zealand.続いて以下の文
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2010～14年の間に診断された男性では、プエルトリコ、マルティニーク、および米国では5年生存率が100％に近づいてきた。さらに22カ国で少なくとも90％の生存率を示した。ブラジル、コスタリカ、 カナダ、イスラエル、日本、韓国 （計6カ国）アイスランド、アイルランド、フィンランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、スウェーデン（北欧）イタリア、ポルトガル、スペイン（南ヨーロッパ）
オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ（西欧） （ヨーロッパ諸国14カ国）
オーストラリアとニュージーランド。
Survival was in the range 80-89% in 17 countries Survival approached 80% less than 50%がん研の文の部位毎に閾値はこの文によるものと思われる。
従ってA といっても米国他プエルトリコ、マルティニークしか存在しない。そうして、97%を超えている。
日本 93.0% がそんなに悪い値とは思えない。97%を超えるには現在の診断時に転移している患者の割合を減らさない限りなかなか難しいかと思う。
その他上記の参考にあげた国はシンガポール、中国を除き B だ。
ただし、がん研の表において B 90-97% と書いているのは若干論文の記述と異なると思う。
ちなみに胃がんに関しては以下のように書かれている。
In 2010-14, survival was very high in Korea (68.9%) and Japan (60.3%; table 6; appendix p 211). Survival was in the range 30-40% in 16 countries: Canada and the USA・・・・がん研の文には「日本からは、16府県（日本の総人口の40.6%）が本研究に参加」と書かれている。
Table 5 をみると以下のとおり。日本の割合はそう高いものではない。
そのことが値にどのように影響しているかは分かりませんが、がん患者すべてのデータが登録され経緯が分かるようにはなっていない。
米国 85.8%
プエルトリコ、マルティニーク は100% 、韓国、シンガポール、イスラエル、リトアニア、フィンランド、オーストラリアも100%だ。
イタリア 57.7%
ブラジル 7.7%
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……掲示板への2018年 2月26日の投稿を元に作成。
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