術中放射線療法

JASTROのNewsletter抜粋記事よりリンクされている他科医師に聞く-泌尿器科編-(No.109)を読む。

がん研有明病院 泌尿器科の米瀬淳二氏の寄稿はなかなか興味深かった。放射線科とのつきあいは長く次のように書かれている。
おそらく日本で一番放射線治療医と宴会を行った泌尿器科医であることは間違いないと自負し
そうして患者の治療法の選択に関しては次の記述。
若年者にはどちらかというと手術を奨め、高齢者には放射線を奨めながら患者さんに嫌でない方を選んでいただくという基本方針で対応
がん研有明では積極的に手術を勧めていると思っていたが、そうでもないようだ。さらに次の記述にちょっと関心があった。
前立腺がんに対する放射線治療との最初の関わりは卒後2年目に研修に行った埼玉がんセンターでの前立腺がんに対する術中照射でした。
「術中放射線療法」に関しては東大の中川恵一氏の日本における放射線治療と国際比較にこういう記述がある。
手術中に放射線を照射する「術中照射」は日本で開発された治療法で,腸などの正常の臓器を避けてがん病巣を露出することで,1回で大量の放射線を副作用なしにかけることができる。
埼玉県立がんセンターで実施されていたということのようだ。

検索し、次の論文をみいだす。
Favorable Outcome of Intraoperative Radiotherapy to the Primary Site in Patients With Metastatic Prostate Cancer

埼玉県立がんセンターの神田敏博氏を筆頭著者とする論文であり、転移性前立腺癌患者の原発部位へ術中放射線療法を行い良好な結果をえたという報告である。

照射線量が25または30 Gyということで結構高いことに驚く。現在はこの治療法は行われていないだろう。

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