予後良好な中間リスク

NCCNガイドライン 前立腺癌 2018年版 第4版(日本語訳)のPROS-2にリスク分類の表が載っている。予後良好な中間リスク、予後不良な中間リスクの臨床的/病理学的所見の説明がされているがその違いがよく分からない。
このことは随分前から気になっていたが原文を確認することなく放置していた。

今回、NCCNガイドラインの最新版 Version 1.2020-March 16,2020 をユーザ登録してダウンロードしてみてみた。

PROS-2にまず中間リスクの定義として以下のように書かれている。
・高リスク、超高リスクの要素をひとつももっていない。
・以下の中間リスク因子をひとつまたはそれ以上持つ。
 T2bーT2c
 Grade Group 1) が2または3
 PSA 10ー20 ng/mL
そうして次のように定義
予後良好な中間リスク
以下の条件をすべて満たす
・ 中間リスク因子の個数は 1
・ Grade Group は1または 2
・ 生検陽性率 < 50%

予後不良な中間リスク

以下の条件をひとつまたはそれ以上満たす
・ 中間リスク因子の個数は 2または3
・ Grade Group 3
・ 生検陽性率 ≧ 50%
ガイドラインはもちろん様々なエビデンスに基づくものであり、文献レビューの論文は以下のとおり。
Intermediate-risk Prostate Cancer: Stratification and Management

私は私の前立腺がん chronicleに書いたように以下のようだった。

PSA:8.22
グリーソンスコア:3+4
病期:T2aN0M0
陽性率:2/14

GS 3+4 は Grade Group は2なので中間リスクといっても予後良好な中間リスクに分類される。PROS-5の予後良好な中間リスクの治療をみると外照射の場合、ホルモン併用ではなく放射線治療単独である。

照射前のホルモン治療を受けたが、決して過剰治療とは思っていない。ほんの数%でもPSA非再発率に寄与したと思っている。なんといっても放射線治療装置の稼働状況の関係で開始が6か月後だったので、泌尿器科の主治医が「ホルモン治療を開始しましょう」といってくれたときに本当にほっとした。


1) Grade GroupについてはISUP grade group 米国ではGSと併記を参照のこと

……2020/09/23に追記
NCCNガイドライン 前立腺癌 2019年 第4版ー2019年8月19日(日本語訳)はNCCNガイドライン Version 1.2020-March 16,2020 と同じ記述となっている。

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