PSAバウンスは好ましい予後因子....奈良医科大中井靖氏の論文

PSAバウンスに関しては小線源治療におけるPSAバウンスでPSAバウンスが好ましい予後因子であることをいっている津村秀康氏の論文を紹介した。

先日、どのような検索語だったか不明であるが奈良県立医科大学泌尿器科の中井靖氏を筆頭著者とする論文、Jpn J Clin Oncol.2020 Jan 24;50(1):58-65をみいだした。

表題は"Prostate-specific Antigen Bounce After 125I-brachytherapy for Prostate Cancer Is a Favorable Prognosticator in Patients Who Are Biochemical Recurrence-Free at 4 Years and Correlates With Testosterone" ということで2004年から2012年にかけて、小線源単独治療を受けた前立腺腺癌の256人を対象とした論文である。

この論文でのPSAバウンスを以下のように定義している。
PSAバウンスは、PSAの最下点の間隔を超えて0.2 ng / ml以上増加した後、最下点またはそれ以下に減少すること
これは上記の津村氏の論文にあげられている定義のいずれかでもない。

結論として次のように書かれている。
PSAバウンスのある患者は、PSA単独療法で4年後にPSA非再発の率は良好でした。テストステロンレベルはPSAバウンスでより高かった。テストステロン濃度の上昇は、PSAバウンスの原因である可能性があります。
同様なPSAバウンスの定義での論文がPubmedであげられていた。
Strahlenther Onkol. 2015 Oct;191(10):787-9

スイスのCantonal Hospital St. Gallen のDaniel S Engeler氏を筆頭著者とする論文であり、2001年3月から2010年11月までに小線源治療を受けた713人が対象である。

バウンスの定義は奈良医科大と同じで追跡期間の中央値は41ヶ月だった。

PSA再発は28人の患者(3.9%)で発生
PSAバウンスは173人の患者(24.3%)で発生

PSA再発28人の内訳
バウンスのない患者 25人(4.6%)
バウンスした患者 3人(1.7%)

バウンスした28人の患者(16.5%)は、nadir + 2 ng / mlの一過性のPSA上昇

放射線治療前のホルモン治療を受け、IMRTで治療した私には上記の論文の結果は参考にはならないが、PSA推移で示すように+0.2 の増加はなかった。
一等心配したのは0.214から0.332に上昇したときだ。このときはまだ0.4には到達していないと一人納得したものだ。

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