骨転移11未満の場合の治療

千葉大学の泌尿器科山田 康隆氏を筆頭著者とする論文、Prostate. 2020 Feb 3. doi: 10.1002/pros.23958.を読む。
metastatic castration-naïve prostate cancer (mCNPC):(転移性去勢ナイーブ前立腺がん)に対して初期より強力な全身治療が有効であるという知見が得られている 1) がそれは人種によって異なるのではないかという観点でのコホート研究である。

1999年から2017年の間に、複数の施設から新規mCNPCの患者426人を遡及的に追跡した結果である。すべての患者は、初期治療としてアンドロゲン除去療法のみを受けた。
年齢の中央値は73歳でPSAの中央値は 266.2 ng/ml だった。

overall survival:OS(全生存期間)の中央値は、CHAARTEDの高基準を満たした患者で55.5ヶ月でした(試験では33.1ヶ月)。そうして骨転移数の5つのしきい値(≥4、≥6、≥11、≥16、≥21)を評価した結果以下のように結論づけている。
私たちの探索的研究は、アジア人の「大量」前立腺癌の適切な定義として、11以上の骨転移を示唆しています。調査結果を検証するには、より大規模で前向きな研究が必要です。
骨転移が11以上ない場合の最初の治療は従来のホルモン治療のみでいいというのはそれはそれでこのコホート研究の成果として貴重だろう。

1) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31897602

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この記事へのコメント

  • さっちゃん

    ご無沙汰しております。
    今回の千葉大の論文
    翻訳して読みました。いつも参考になる資料を
    アップしていただきあありがとうございます。
    罹患してから3年6ヶ月、再燃しないでどうにか過ごしています。
    2020年02月13日 07:59