膀胱がんと前立腺がん

術後死亡例は2次発がんで参照した論文1をみると放射線治療後の2次発がんは膀胱がんが多いようだ。というわけで膀胱がんと前立腺がんと罹患率、死亡率を調べ、前立腺がんと比較してみる。

膀胱がん
年齢調整罹患率(/10 万人 / 年) 7.2 男性 12.8,女性 2.8
年齢調整死亡率(/10 万人 / 年) 男女合計で 2.1(男性 3.6,女性 1.0) 1)

前立腺がん
年齢調整罹患率 10万人あたり 66.8
年齢調整死亡率 10万人あたり 7.3 2)

2017年5月1日朝、どろっとした血尿がでて驚いた。IMRT後の晩期障害かと思ったが、血の形状をみて、すわ、膀胱がんかと思った。様子をみたところ、それ一回だけだったので心配する必要はないかと思ったが、6月6日の定期診察のときに状況を泌尿器科の主治医に説明し、膀胱がんのことを心配している旨を伝えるとはっきりするために膀胱内視鏡検査をしましょうということで、その日に検査をしてくれた。放射性の炎症はあったが、特にもんだいはなかった。

膀胱全摘のことを念頭に膀胱がんを心配しているといったが、主治医は膀胱がんだとしても何もそう心配することないということだった。
内視鏡手術で治療できることをしらなかった。治療法選択で2次発がんの可能性があるということをきき、病院で各種がんの小冊子が持ち帰り自由で展示されていて確保した小冊子はまるで読んでないことがわかる。
年齢調整罹患率、年齢調整死亡率からは前立腺がんのほうが厳しいがんである。とはいっても病期ごとの生存率に関しては前立腺がんはなかなか死なないがんであることは事実だが。

黒薮哲哉さんの特別寄稿で記者会見の滋賀医科大の岡本医師の話したことを書いている。この中で中間リスクに関する来年発表される論文のことをいっている。
わたしが執筆した中間リスクの前立腺癌に対する小線源治療についての論文が1月に掲載されます。10年間で397例のうち、再発は3例。7年の非再発率は、99.1%です。
100人にひとり再発しないことになります。この論文では、中間リスクの症例は、小線源単独療法でやるべきだと結論づけています。
病院側が岡本医師が術後死亡例があるということを裁判でいっているのは外照射併用ならば、河野医師の治療との関連かあるかもしれないので、多分、術後死亡例は小線源単独治療だろう。
中間リスクだとすると上記論文を参照すると397人のうち、2人が術後、2次発がんで死亡したことになる。膀胱がんがどうか分からないが、99%の非再発率を期待したところ、1%に近づく術後死亡という結果になったといえる。

……以下2019/12/25に追記
滋賀医科大前立腺癌小線源治療学講座の2016年9月22日のアーカイブにこう書かれている。
われわれ治療チームがこれまでおこなった10年間、700例におよぶ患者さんにのうち再発患者さんはわずか11名しかおられません。
再発した人は11名だが、術後死亡例は2名いたのだ。(2次発がんのことを考慮し、治療開始後10年間を対象とした)
術後死亡率は 2/700 = 0.29 % である。10年でこの値だ。2名がすべて膀胱がん死だとすると先にあげた 年齢調整死亡率(/10 万人 / 年)男性 3.6 と比較してみる。計算が妥当かどうか分からないが術後死亡率(/10 万人 / 年)は29 となり、小線源治療と因果関係があると思われる。
すなわち通常の膀胱がん死亡率よりはるかに高い値となっている。

計算
100人 0.29
100,000人 290
290/10(年)29

記者会見で岡本医師はこういっている。
治療の未経験を患者に告げるべきかどうかよりも大切なことは、説明できることは、全部説明するという善意の姿勢です。意図的に情報を隠すようなことあれば、医療は成り立ちません。
病院側がいっているように術後死亡例を患者に伝えてないとしたら、術後死亡例は説明できないことなのでしょう。


1) 膀胱癌 診療ガイドライン 2015年版のP.3より
2) 前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版のP.12より
3) 膀胱癌 | 秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
このページを今回の記事を書く際に読んだ。

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