以前、検索して以下の2つの論文をみつけていた。
1.東京医療センターの斉藤史郎氏の論文 First Online: 02 August 2018
How We Led the Japanese Low-Dose-Rate Brachytherapy to Successful Practice (Urologist Perspective)
2.奈良県立医科大の田中宣道氏を筆頭著書とする論文 First published: 24 September 2019
Low‐dose‐rate brachytherapy for prostate cancer: A 15‐year experience in Japan
回顧的なもので、この著者二人が滋賀医科大附属病院 泌尿器科の非常勤講師(診療)となっているのも何か縁を感じる。
1.については掲示板に2019年12月13日に小線源治療後の死亡例 と題して報道された滋賀医科大の岡本氏の患者の死亡例に関して論文より一部を引用して投稿した。日本において重大なトラブルや事故なしに小線源治療が実施されていると論文で書かれたのは「斎藤医師はこの滋賀医科大のインシデントを知らなかったからでしょうか」と書いた。その後、少し考え、斎藤医師はその事実を知るべくもなかったのでは思い始めた。なぜならば、滋賀医科大は高リスク患者に対するTRIP臨床試験には患者登録はしていないので、J-POPSにも参加せず、データを提供していない可能性が高いからだ。
2.にこう書かれている。
全国的な前向きコホート研究であるJ-POPSが2005年に開始されました。黒薮さんが『名医の追放─滋賀医科大病院事件の記録─』で「2004年ごろ マウントサイナイ医科大のネルソン・ストーン医師が「術中計画法」であるマウントサイナイメソッドを開発」と記したのは滋賀医大事件記者会見説明要旨の以下の記述によるものだろうか。
2004年には、アメリカニューヨーク州のマウントサイナイ医科大学を中心に、リアルタイムによる術中計画法及び辺縁配置法が開発され、高い精度でシード線源を前立腺に配置できるようになりました。2.にこう書かれている。
The Mount Sinai group developed a real‐time planning method in the 1990s.6, 7さらに「着実な努力をすることにより、ほとんどの機関はリアルタイムの計画方法を導入しています。」と書かれていて現状、日本においてreal‐time planning method (マウントサイナイ メソッド)は特別な計画法でないことを書いている。
田中論文が参照したのはStone氏(6)、Stock氏(7)の論文であり、両論文は黒藪さんの本を読み、Google ScholarでInteractive Intraoperative Seed Implantation Stoneでなんとなく見つけたものではあるが、確信はもてなかった。関連するものはたくさんあるので。
いずれにしろ、教授が「論文も出せていないのに、偉そうなことを言うな」というのは新たな術式を開発した場合は参照する論文含めたくさんの論文があるもので、その元となる論文も出していないのにえらそうに小線源治療実施に対して一家言を披歴するなということだろう。
リアルタイムによる辺縁配置法 &EBRT併用療法 ガイドブッックには
「Nomogram 1990年代版」という言葉があり、さらに次の表現。
Dr. Stoneが2000~2005年のデータに基づき作成された最新の「オンコシードノモグラム2005年版(有償)」を利用することが望ましい。いずれにしろ1990年代から開発され実施されていたものであることは確かだ。
6 J Urol, 153 (5), 1555-60 May 1995
7 Int J Radiat Oncol Biol Phys, 32 (1), 219-25 1995 Apr 30
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