- 米国における救済放射線治療の線量の増加
- 救済放射線治療の線量
- 手術後の再発時の救済放射線療法 日米ガイドライン比較
- 救済放射線治療 ガイドライン 2016年版
- 救済放射線治療 その1
- 救済放射線治療 その2
- 救済放射線治療 その3
- 救済放射線治療 その4
- 救済放射線治療 開始条件
5年PSA非再発率 92.9%
これは高い線量の照射、比較的長いホルモン治療が寄与したとおもわれる。
救済放射線治療 その1でフランスにおけるホルモン治療併用、外照射単独のランダム化比較試験を紹介した。
改めて、前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版をみてみた。
P.191にこう書かれている。
RTにSHTを併用した場合の有効性については,RTOG 9601試験等のRCTが進行中であり,SRTと抗アンドロゲン薬によるSHTの併用がSRT単独よりも治療後のPSA進行および転移を有意に抑制することが示された(52nd Annual ASTRO Meeting)20)。SRT:救済放射線療法、SHT:救済ホルモン療法(salvage hormone therapy)
少し調べてみた。
医学文献検索サービス -メディカルオンライン 前立腺がんPSA再発患者でのサルベージ放射線療法にホルモン療法を追加
N Engl J Med. 2017 Feb 2;376(5):417-428、full textのabstract を紹介している。
論文の結論として以下のように書かれている。
救済放射線療法に毎日ビカルタミドを用いた24ヶ月の抗アンドロゲン療法を追加すると、放射線療法とプラセボよりも有意に高い長期全生存率と転移性前立腺がんおよび前立腺がんによる死亡の発生率が低下した。さらにメディカルオンラインには「ゴセレリンを追加したGETUG-AFU 16試験も無増悪生存率の改善を示している」と書かれ以下の論文を参照している。
Lancet Oncol. 2016 Jun;17(6):747-756.
この論文は救済放射線治療 その1で示したものだ。
NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン 前立腺癌 2018年第4版―2018年8月15日をみてみる。
PROS-D 3 OF 3 に以下のように書かれている。
ビカルタミド150mg/日による2年間の抗アンドロゲン療法(RTOG9601)と6ヵ月間のADT(GETUG-16)は、どちらもランダム化試験により、救済治療の状況で放射線療法単独と比較して全生存期間および無転移生存期間を改善したことが前向きに示されている。MS-49には次の記述。
GETUG-16試験の結果に基づいて、6ヵ月間の同時/アジュバントADTを救済放射線療法と同時併用することができる。LHRHアゴニストを使用するべきである。RTOG9601試験の結果に基づき、根治的前立腺摘除術後にPSA値が低下しない患者または救済療法の開始時点でPSA値が1.0ng/mLを超える患者に対し、放射線療法に加え、6ヵ月間ではなく、2年間のADTを考慮することができる。2年間のADTについて、レベル1のエビデンスはビカルタミド150mg/日の投与を支持しているが、代替法としてLHRHアゴニストを考慮することもできるはずである。GETUG-16に関しては前立腺癌 診療ガイドライン 2016年版には言及されていない。多分、論文発表の時期の関係だろう。前版は2012年版なので2020年版(多分)にはなんらかの形で反映されるだろう。
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