同じ分類が「本書のリスク群分類と治療法の目安」という表題でP.93に記載されている。医学的になんらエビデンスのない分類を飽きることなく書き、治療法の目安を書く、その精神の強さにおそれいる。
分類に関してはブログの藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その5ー1に転載した。
そうして今回の著作物ではP.252〜253に「トリモダリティ実施施設」と題して30の病院の一覧表(名前、住所、連絡先(電話番号))を載せている。当然とはいえるが、今年末に寄附講座終了となる滋賀医科大学医学部附属病院は載っていない。
高リスク群A PSAが20以上で、グリソンが8以上
治療法の目安 トリモダリティ
どのような取材に基づく一覧表なのか知りたいとこではある。
藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その7 トリモダリティ実施病院は多くないでTRIP臨床試験を元に高リスクに対して施用淵源治療を行っている病院26を表で示した。もちろん、この表で示した病院が藤野さんのいう高リスク群Aの患者を対象に治療を行っているわけではない。TRIP臨床試験の高リスクの定義はもちろん高リスク群Aといったものではないから。
上記のブログではNMP社の高リスク前立腺がんで、トリモダリティーを積極的に実施している施設をリンクしている。「トリモダリティ実施施設」の表に掲載されていて、このNMP社のページにも載っていなくてさらに私があげた一覧表にものっていない病院は結構多く以下の12病院である。
秋田大学医学部附属病院、獨協医科大埼玉医療センター、日本医科大付属病院、長野市民病院、地域医療機能推進機構 中京病院、金沢医科大学病院、大阪市立総合医療センター、関西医科大 総合医療センター、山口県済生会下関総合病院、浜の町病院、久留米大学病院、国立病院機構 熊本医療センター
なかであまりみたことがなかった国家公務員共済組合連合会 浜の町病院を調べてみた。
西日本泌尿器科 80(suppl): 194-194, 2018.で浜の町病院泌尿器科の待鳥亜沙子(まちどり あさこ)氏を筆頭著者とする「O-121. 高リスク前立腺癌に対するホルモン併用密封小線源+外照射療法の治療成績」という論文がある。
泌尿器科の診療実績をみると密封小線源治療件数は2015年 27件、2016年 24件、2017年 16件とそう多いものではない。
また、放射線療法|浜の町病院には次のように書かれている。
小線源治療治療件数はそう多くはないが、高リスクに対して小線源治療を行っているようだ。
平成17年(2005年)8月から、前立腺がんに対しヨウ素125小線源永久挿入療法を開始しました。これは、放射性同位元素の一種であるヨード125を小さな粒状の容器に密封したもの(小線源といいます)を前立腺に直接埋め込み、そこから出てくる放射線を利用して行うがんの治療法です。放射線の集中性に優れた治療法であり摘出手術に比べてより侵襲が少なく、かつ同等あるいはそれ以上の治療効果が期待できる優れた治療法です。放射線科と泌尿器科が協力しておこなう治療で、主に低リスクの前立腺がん症例を対象として治療を開始しましたが、外部照射を併用することによって高リスク症例でも良好な治療成績が得られており、現在は低リスクから高リスク症例まで積極的に行うようになっています。
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