『前立腺ガン 最善医療のすすめ』については微に入り細にいり問題点を指摘した。いま前著は手元にないので突き合わせての確認はできないが、ブログの書いている点で差異をみてみよう。
前著は市内の5つの図書館にあり、今回の本は唯一であり、予約している人もいまのところはいない。また、「前立腺ガン」というよびかたが一般的な「前立腺がん」に変更となっている。
藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について 掲示板への投稿、『前立腺がん トリモダリティ物語』で書いた臨床番号の間違いは修正されていなかった。そのなかでリンクしたRTOG...正しい番号判明で指摘した9202 を 9209と間違えたのはそのままだ。P.206にはこう書かれています。
外照射と長期のホルモン療法を併用する治療法については、アメリカのRTOG-9209という研究が知られています。前著のP.266の記述は以下のとおり。
RTOG-9209は外照射と2年間のホルモン療法を併用した治療法の研究でした。外照射の総線量は65~70グレーの高さでしたが、5年後には50%の患者に再発がみられました。この研究は長期のホルモン療法をしても、外照射の線量の不足をおぎなえないことを示しています。
長期のホルモン療法と外部照射を併用する治療法については、アメリカのRTOG-9209という研究が知られている。ですます調に文は直されているが書いている内容は同じである。また、ブログでリンクしている掲示板への2016年4月4日投稿記事で示したStone氏の講演との類似の表現は同様に新著でも残っている。P.158
これは高リスクの前立腺ガン患者にたいして、外部照射と2年間のホルモン療法を併用した治療法の研究だった。外部照射の線量は65~70グレーだったが、5年めには50%の患者が再発したのである。
このデータでは長期のホルモン療法をしても、外部照射の線量の不足を補えないことが示されている。
MSKCCの高名なのDr マイケル・ゼレフスキーは、中リスクと高リスクの患者を対象にして、最高で81グレーを照射しても、12%の患者にがんがのこったことを明らかにしました。前著の記述は煩わしくなるので引用は省略する。いずれにしろ、前著より新しい項目の記述は追加されたにしろStone氏の講演のコピペと思われる文は同じでRCT番号も間違えたままで、その医学書でない状況はまったく改訂されてはない。
MSKCCはいまでは高リスクの患者に85グレイ以上の線量を照射していますが、日本でこれほどの高線量を照射できる施設はわずかしかないでしょう。
この夏の暑さにめげなければもう少し書くかもしれない。
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