サイト 治療後の排尿症状
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IPSSを用いた排尿症状改善からみた至適根治治療法選択
小線源治療の尿路症状(外照射との比較)
改めてブログでまとめ記事を書いてみよう。そもそもなぜ、小線源治療の尿路症状に関心があったかというと掲示板での体験談で以外と小線源治療を受けた人が尿路症状が長引いているという投稿が多いと印象をもったからだ。
私自身に関しては排尿痛、夜間頻尿はIMRT治療後一か月ほどでおさまったので、比較して不思議な感じがしていた。
国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score:IPSS)は世界共通で使われている前立腺肥大症の症状の客観的な評価法ということで、以下のような質問票に答え、スコアをだす。
・IPSS
私は臨床試験に参加しているので、診察ごとに放射線治療科の主治医にIPSSを提出している。臨床試験が終わり、結果報告の論文の患者の1データとして使われるだろう。
田中氏の発表の概要を以下に記す。
2004年から2010年まで奈良県立医大で治療を受けた患者473人が対象であり、内訳は以下のとおり。
IMRT:73人
RP:103人
BT:297人
治療前、1、3、6、12、24、48、60か月目にIPSSを調査
要旨には次のように書かれている。
最もIPSSの上昇が遷延したのはBT群で,RP群が続きIMRT群が最も早く回復した。1年目のIPSS改善率はRP群:58.3%,IMRT群:58.9%,BT群:44.4%であり,BT群が有意に低かった(P=0012)。1年目の改善に関する多変量解析では,BT群が有意に悪く,治療前のIPSSが低い群ほど悪かった。さらに結果にはこう書かれている。
IPSSの経時変化図1に示す。IMRTの場合、1ヵ月過ぎると改善されるといった主治医の話が裏付けられたといえる。小線源の場合は1年は排尿症状は覚悟しなければいけないようだ。
RP群は治療後1~ 3ヵ月に有意な上昇を認めた。IMRT群は治療後1ヵ月のみ有意に上昇を示した。BT群は治療後12ヵ月目まで有意に上昇を示した。治療後1ヵ月目はIMRT群に対してRP群,BT群のIPSSが有意に高かった。3ヵ月目,6ヵ月目はIMRT群およびRP群に対してBT群のIPSSが有意に高かった。
なお、三木 健太 「治療による有害事象:早期,晩期に発生する尿路と直腸での有害事象の種類とその発生率.また,その予防と治療法」Japanese Journal of Endourology Vol. 26 (2013) No. 2 p. 182-183にはこう書かれている。
ブラキセラピー後2週目から尿道への影響が自覚症状として出現するとされている.代表的な症状は頻尿,尿意切迫,夜間頻尿,尿線狭小化,排尿時間延長,尿勢低下,残尿感などがある.これらの症状はブラキセラピー後の6-8割の患者に発生する.また症状の程度はブラキセラピー後1-3ヶ月後に頂点に達し,半年から1年かけて緩やかに改善していくが,なかには2-3年かかることもある.さらに以下の記述
国際前立腺肥大症状スコア(IPSS)で経時的な排尿状態の変化を観察すると1年で治療前のスコアに回復しない患者が2-5割いるが,3年後には多くが治療前のレベルにまで回復している6).
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