溝脇尚志氏のキャンサーネットジャパンの講演動画

京都大学の溝脇尚志氏の講演 前立腺がんに対する放射線外部照射療法の最前線で腺友倶楽部での2016年のセミナーの講演について書いた。

京都大学大学院医学研究科 放射線腫瘍学・画像応用治療学教室教授 溝脇尚志氏の講演、前立腺がんにおける各種放射線療法の使い分け~本当のところは?をみた。この動画は2018年6月17日にNPO法人キャンサーネットジャパンとNPO法人腺友倶楽部の共済で開催された前立腺がんとどのように向き合えば良いのか ~ ライフスタイルとQOLから考える ~での講演のひとつである。

限局性(B期)前立腺がんにおける治療成績で論文、Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2004 Jan 1;58(1):25-33.を参照して治療法による治療成績(PSA非再発率)にそう差がないことをいっている。

放射線治療の適応に関して表で説明している。
前立腺がんに対する根治治療法の適応
ここでは手術は高リスクまで適応としている。

さらに11分50秒付近で先のセミナーの講演と同じ論文、Radiother Oncol. 2015 Jun;115(3):295-300を参照して説明している。
BED 200Gy以上照射しても治療成績は変わらないことをいっている。

19分48秒付近では以下の4つの論文による比較を行っている。
1.小線源 東京医療センター Brachytherapy. 2015 Mar-Apr;14(2):111-7.
2.IMRT 京都大学 Int J Clin Oncol. 2016 Feb;21(1):148-55.
3.重粒子線 核医研 Cancer. 2016 Oct 15;122(20):3225-3231.
4.HDR 大阪大学 Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2016 Mar 15;94(4):675-82

1.2.4.に関してはサイトで紹介し、治療法比較3での表中に存在する。

最後にまとめを転記しよう。
・前立腺がんに対する日本の放射線治療成績は良好
・外照射(X線、粒子線)、小線源治療間の治療成績・重篤な副作用発生率に大差ない
(線量投与方法やポリシー・手技の影響がより大?)
・非(低)侵襲性優先なら外照射
・治療期間短縮+超高線量投与(PSA制御改善)、中リスクでホルモン療法を避けたい場合は小線源
・過度な線量増加(併用療法を含む)は、副作用増加も生存改善効果は明らかでないのでお勧めし難い
溝脇氏が実施しているIMRT治療を緩やかに推奨している。

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