ロボット支援手術の導入は准教授

腺友ネット:掲示板で羊毛さんという方が2019年3月29日に興味あるサイトの紹介の投稿をされていた。紹介記事には興味深いことがらがいろいろあったが、特に注目した文を引用する。
そのなかで里見腎泌尿器科 泌尿器科 ~ゆうゆうひろば~14.手術はどの様に決定されるのか (その2)の次の文。
今、腹腔鏡手術など新しい技術の場合、手術の熟練者に手術に来てもらい指導を受けながら行うか、外国きりその技術がない様な場合には外国まで勉強にいって習得してから手術に踏み切ります。もう自分の病院でもやっても大丈夫との判断は普通その責任者である部長の医療に対する考え方=哲学によって行われます。
さらに15.手術はどの様に決定されるのか (その3)の次の文。
手術の技術の修得は、本をいくら読んでも駄目で、手とり足とり少しずつ実際に先輩から教えてもらう以外ないのです。これは全く職人の世界で、昔からの従弟制度が生きています。ということは若い医者にも少しずつはじめての経験をさせなくてはなりませんので、まず易しい手術から術者にさせます。はじめに皮膚に切開を入れるだけで腹が開いたら本来の術者に交代とか、皮膚の良性腫瘍や浅い部分のリンパ節の摘出、そしてヘルニア、急性虫垂炎とすすんで行きます。泌尿器科の場合は陰嚢内の手術からはいります。必ず経験豊富な医者が第一助手として術者の前に立ち(前立ちといっていました)、器具の使い方、糸の結び方を指導し、文句、注文をつけます。
医師の世界が一種の徒弟制度でその技術が継承されていることがよく分かる記述である。

ロボット支援手術に関しては、多分、ベースに手での手術の技量がある程度あるという前提で「ダヴィンチ」の製造元であるIntuitive Surgical社は認定制度を設けているのだろう。最も昨今のロボット支援手術の隆盛をみると前立腺がんに関して開腹手術も腹腔鏡手術の経験のない医師がロボット支援手術の認定資格をえる場合もあるかと思う。

認定資格に関してはda Vinci Certificate(ロボット支援手術施行資格)に書いた。この記事のなかで昭和大学の深貝隆志氏は准教授のときにda VinciのCertificateを取得し、後継者を育てたということを書いた。一昨日、岐阜大学医学部附属病院における小線源治療で泌尿器科准教授 仲野正博氏がロボット支援手術の初症例を担当したということを書いた。
若い医者に指導するためにも准教授自らがまず資格をとるということだろう。

深貝氏の小線源の導入に関してはJASTROのNewsletter抜粋記事よりリンクされている他科医師に聞く-泌尿器科編-(No.109)に書かれている。ハワイ大学医学部に留学した際、小線源治療の見学にいき日本でもできればと考えたと書いた後以下のように書かれている。
昭和大学病院でも私の後輩の森田將が2001年からハワイへ留学しseed implantsの勉強をして帰国し小線源治療導入の準備を進めました。
大学病院における新技術の導入、後継者の育成をみるにつけ滋賀医科大においてなぜ岡本医師の後継者が育成されなかったのか素朴な疑問を改めて持つ。

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