寡分割照射が標準治療となるのはいつ ?

日本放射線腫瘍学会第30回学術大会(2018年11月17-19日、大阪市)での発表に関してはいままで2件記事を書いた。
高リスクに対する手術について 日本放射線腫瘍学会シンポジウムより
高リスクに対する小線源治療の現状は?

これらはがんナビの「前立腺癌の手術と放射線治療」というシリーズの第1回及び第3回の記事なので本日、第2回を検索して次の記事をみつけた。
前立腺癌の手術と放射線治療 第2回 治療期間が短くなる前立腺癌の外照射法の開発が活発に:がんナビ

浜松医科大学放射線腫瘍学講座の中村和正氏の発表の概要を紹介したものだ。
いくつか臨床試験が紹介されていた。いままでいくつか寡分割照射に関する論文を紹介してきたがそれは必ずしも研究を網羅しているものではないと思うので、今後じっくりといままで言及したか確認してみようと思う。

私が参加している臨床試験に関しては次のように書かれている。
日本でもIMRT/IGRTによる寡分割照射(総線量70Gy/1回2.5Gy)の第II相試験が実施されている。2014年8月に登録が終了し、20施設132例が登録、2019年には経過観察が終了する予定だ。この試験では日本人でも有害事象が増加しないことを確認することが目的で、「治療成績の優劣は世界で実施されている第III相試験の最終的な結果を待って、寡分割照射が本邦でも標準治療の1つになるかを判断する」とした。
さらに続いて次の文。
中村氏は私見として、寡分割照射は通常分割照射より有害事象がやや多く見られる可能性があることから、「寡分割照射を行う際には治療計画においてより慎重な対応が必要である」と述べた。そして現時点では「通常分割照射に取って代わる治療ではなく、あくまで同程度の治療という認識であるべきではないかと思う」と話した。
いずれにしろすべて寡分割照射にかわるということはありえず、寡分割照射の場合、所定点数に増加加算(1回の線量が2.5Gy以上)に書いたように2018年4月以降、保険点数において増加加算となったので普及はしていくだろう。

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