赤倉功一郎『前立腺がん』 2019年版

お勧めの本、サイトでお勧めのの本として赤倉功一郎『前立腺がん』主婦の友社をあげた。この2015年発行の本に「新規の内容を加え改訂したものがでた。本の題名は同じ『前立腺がん』で、版元のサイトでは発売日:2018/12/19 となっているが、本の奥付には平成31年1月20日 第1刷発行となっているので旧版と区別するために2019年版と表記する。

Google プレビュー 2015年版
Google Preview 2019年版

2019年版と2015年版を読み比べどのように改訂されたかみていく。ただし、データを新しくしたものは特にあげない。

P.25
前立腺がんの10年生存率 という項を追加(以前は5年)
説明の中で以下のように書かれている。
また、前立腺がん、乳がん、大腸がん、腎がんといった進行の遅いがんは、5年以降に再発することが珍しくありません。
P.34
進化したMRI検査
以下の文の追加
さらに、PI-RADSバージョン2(前立腺画像報告データシステム)という方法で、がんの疑わしさをスコア化して診断に役立てています。
P.41
前立腺がんの病期分類(ステージ)でM1を細分化して説明
M1a 所属リンパ節以外のリンパ節転移
M1b 骨転移
M1c リンパ節、骨以外の転移
P.44 以下のコラム追加
2013年に登場した悪性度の評価法
「グレードグループ分類」
グレード グループに関してはサイトの以下のページを参照のこと。
PCF 前立腺がん患者ガイド

P.84 以下のコラム追加
監視療法は「待機療法」とどう違う?
待機療法は次のように書いている。
症状が出るまで何もしない方法で、基本的に高齢者が対象です。
P.92 アパルタミドの説明と以下の記述
アパルタミドは日本日本未発売ですが厚生労働省へ申請中なので、ほどなく使える日が来るでしょう。
P.104、P.105 「ホルモン治療をしていない場合の転移のある前立腺がんの治療」を追加

P.108、P.109 「追加転移のある去勢抵抗性前立腺がんの治療」を追加

P.123 「デノスマブの治療前・治療中に確認しておきましょう」という記事を追加

P.124、P.125 骨転移したときの治療薬 ----塩化ラジウム-223 を追加
2015年版は「治験中の薬に期待」ということで塩化ラジウム-223が紹介されていた。

P.127 その他の治療法に「PSMA放射線内用療法」と「DARP阻害薬 オラパリブを追加
ただし、「PSMA放射線内用療法」は「日本で治療は行っていません」と書かれ、オラパリブは「治療の選択肢として期待されています」と書かれている。

P.131 晩期症状の血尿に関して以下の文を追記。
また、高圧酸素療法が有効なこともあります。
P.146 「再発と再燃」の項の「PSA値のほかに、画像や触診で判断する場合がある」という表題の後に以下の文を追記
アビラテロンなどの新規ホルモン薬で治療を行う場合は、PSA値の検査のほか、約3ヵ月ごとの画像検査も行ってください。
P.156 リンパ節廓清について以下の文を追記
ただし、症状によって行わないこともあります。
細かいところで見過ごしがあるかもしれない。新薬の使用法が大きく追加されたところである。まだ日本で使用できない薬などについても新しい動向が書かれている。特に追記変更のあったところではないが再読してちょっと気になった部分を以下に引用しよう。
P.51「納得して治療を受けよう」という項で「主治医にこれだけは聞いておこう」ということであげられていること。
・今の体の状態や検査結果について
・どのくらい進行しているか、病期は? 悪性度は?
・どのような治療の選択があるか
・治療法により、成績が違うか?
・治療の副作用や後遺症について
・治る確率は?
・治療後の生活は、治療前と同じに戻るか
・予想される再発率や生存率は?


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