高リスク群に対しては、体外から前立腺に向けて放射線を照射する外照射治療と密封小線源治療との併用療法が一般的に行われていますが、岡山大学では外照射併用療法を行っていないため、高リスク群に該当する患者様には小線源治療は施行していません。藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』について その7 トリモダリティ実施病院は多くないにリンクしているNMP社の高リスク前立腺がんで、トリモダリティを積極的に実施している施設をみてみる。
中国地方でリンクされている県立広島病院/放射線治療科を訪問する。前立腺がんの放射線治療についての「小線源治療について」の(5)当院の治療成績にはこう書かれている。
2006年から2017年に本治療を行った患者さんは334人です。この内10人は別の疾患で死亡されました。2018年6月の時点で前立腺がんが原因で死亡した患者さんはいません。治療後の5年生存率は96%でした。また、治療後5年でのPSA非再発率(再発やPSAの上昇がない確率)は94%でした。高リスクについての治療成績は明示していない。スタッフ紹介より放射線センター長 和田崎 晃一(わださき こういち)氏の名前でGoogle Scholar で検索してみた。
「和田崎 前立腺」、"Wadasaki prostate"
短期の結果を報告したものはあるが、長期のものは直接は小線源治療後のPSA バウンスについて分析した論文ではあるが、以下のものをみいだした。
・J Radiat Res. 2018 Sep 1;59(5):649-655.、full text
2004年3月から2014年12月までに広島大学病院または広島県立病院で小線源治療を受けた患者 352人が対象
低リスク 166人(47.2%)
中間リスク 155人(44.0%)
高リスク 31人(8.8%)
残念ながらリスク分類毎のPSA非再発率は明記されていない。
5年PSA非再発率 94.2%
7年PSA非再発率 89.9%
10年以上で広島大学病院と県立広島病院とを併せた数値だが高リスク 31人とは決して多いとはいえない。
なお県立広島病院の高リスクに対する臨床試験TRIPの登録件数は下記より3件である。
・TRIP試験登録病院
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