主治医と患者との関係 ムンテラ とインフォームド・コンセント

大場大『がんとの賢い闘い方 「近藤誠理論」徹底批判 』新潮新書に興味ある記述があった。
P.151~P.152
主治医が用いてきた患者への説明手法を「ムンテラ」といいます。簡単にいえば「細かいことは気にせず、私(主治医)に任せておきなさい」というスタンスに基づいた説明です。ドイツ語で「ムント(口)と「テラピー(治療)」が語源となっているこうした親から子への一方通行的な説明がひと昔前の医療現場では普通に行われていました。
現在はさすがにこういった極端な医師と患者の関係はないかと思うが、医師が必要と思っていない情報は聞かれない限り患者に伝えないということはあると思われる。

P.158にこう書かれている。
現在の「インフォームド・コンセント」は患者を被護者として取り扱うのではなく、医師と患者の立場は人間として対等であり、患者の意思を尊重するべきものとされています。しかし、注意すべきは、これは個人主義を基盤とする西洋型の民主主義社会で育まれてきた考え方であるという点です。とりわけ米国のような国では、医療は「ビジネス」の側面が非常に強く、医療訴訟も日常茶飯事である社会背景を考慮しなくてはいけません。
訴訟にそなえて「きいてない」といわれないための説明という側面もあるだろう。
患者が医学的な知識をもつとしても、それは患者であること、医学の素人である限界はある。それをふまえ、それを尊重しつつもご自身の経験とエビデンスにもとづき、その患者にとって、最善の治療を提案していくのが良き医師といえるだろう。

対等でありたいといっても、なかなか日本人的心性から難しいところはある。
私は主治医に対して「タメ口」で喋っているわけではないが、敬語は使ってはいない。医者の呼称の「先生」はその専門性に対する尊称であり、人格的なところは含まない。(と思っている)

(掲示板の2016年2月22日の投稿に追記したものである)

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