論文のfull textには次の記述がある。
higher medical fees are now allocated to the hypofractionation schedule (≥2.5 Gy/day) in Japan.これは治療回数を減らす寡分割照射法で紹介した東京医療センターの萬氏が指摘した寡分割照射の問題点、保険点数が寡分割照射で行うことで上がらない 1) ということが解消されたといえる。検索して平成30年度診療報酬改定速報(医療従事者かという質問があり「はい」と答えないと閲覧できない)よりリンクされている平成30年度診療報酬改定関係資料 I-2 医科・調剤(第2部 中央社会保険医療協議会答申)をみてみる。こう書かれている。
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日本では、より高い医療費が寡分割スケジュール(≧2.5 Gy /日)に割り当てられています。
M001 体外照射また、3 強度変調放射線治療(IMRT)に関して以前は「1回目 3,000点、2回目 1,500点」だったのが、3 強度変調放射線治療(IMRT) 3,000点 と変更になっている。
【注の追加】
注6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出
た保険医療機関において、1回の線量が2.5Gy以上の前立腺照射を行った場合は、1回 線量増加加算として、1,000点を所定点数に加算する。
通常照射 2Gy 39 回照射の場合 3,000x39 = 117,000(点) 1,170,000 円
寡分割照射 2.5Gy 28 回照射 (3,000 + 1,000) x28 = 112,000(点)1,120,000 円
この場合は5万円ほど寡分割照射が安いがほぼ同じである。
以前の点数では回数分だけ寡分割照射が安かったので、患者にとってはこのほうがメリットはあった。(寡分割照射は私が参加した臨床試験のもので計算)
一回線量2.5 Gyで28回(総線量70 Gy)を照射する、短期間での放射線治療が安全に施行できるかを調べる臨床試験、前立腺癌IMRT/IGRT併用寡分割照射臨床試験_概要の臨床試験 参加施設をみてみると名古屋市立大学病院はこの臨床試験には参加していない。
しかし、論文によると徐々に線量を増やし、特に問題ないことから増加加算がつく2018年4月以降、2.5Gyでの照射を始めたものと思われる。
1) 具体的には萬氏は次のようにいっている。
萬さんは日本の保険制度の課題も指摘する。
「日本では現在、前立腺のこのような放射線治療は診療回数で点数をつけています。大きな大学病院のように赤字覚悟でできるところはいいですが、一般的な病院では診療回数で収入が決まるので二の足を踏みます。同じ治療成績を生む新しい治療法に対して技術を高める努力をし、リスクを負ってまで取り組んでも、収入が減ってしまうことになるのです。保険制度も段階的に変わる必要があるのではないでしょうか」
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