俵万智『牧水の恋』

俵万智『牧水の恋』文藝春秋を読む。
『サラダ記念日』から30年以上経ち、俵万智は牧水が既婚者であることをしらずに不義密通したことを「恋」と書き、歌を私小説的に解釈した本である。さらにデビューしたころ、ものすごく牧水の影響を受けていたといいきる。

歌の解読は新鮮であり、丁寧な解説である。

『サラダ記念日』が朝のニュースで読まれ、あれよあれよいうまにベストセラーとなり、多分私も買い、一読したと思う。とはいえ、歌集を熱心に読んではいなかった。牧水も国語の教科書でよんだくらいで関心のある著者ではない。『牧水の恋』であげられている歌はその恋情と幾分かの独りよがりも垣間見えそう好きにはなれない。とはいえいくつか気になった歌もあり、以下にあげる。

わがむねによき人すめり名もしらず面わもしらずただに恋ひしき
仰ぎ居ていつしか君は眼をとぢぬうぐいす色のゆく春の雲
夜ひらく花のやうなり常ひごろ笑はぬ人のたまのほほえゑみ
かたはらに秋ぐさの花かたるらく亡びしものはなつかしきかな

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